医療事務は、有効求人倍率が1.18倍前後(※)で推移する人気の職種であり、資格がなくても始められることから多くの求職者が集まります。(※令和7年 厚生労働省データより)
そのため、履歴書の志望動機で長く働けることや仕事への適性をしっかり伝えることが、採用への近道です。
本記事では、採用担当者が重視するポイントと、未経験やブランクがあっても好印象を与える志望動機の書き方を、具体的な例文とともに解説します。
参考|厚生労働省:一般職業紹介状況(令和7年10月分)について
- 採用担当者が志望動機で見ている3つのリスクと対策
- 【未経験・ブランク・経験者別】そのまま使える志望動機の実践例文
- 家が近い、安定などの本音を好印象に変える言い換えテクニック
1.志望動機を書く前に知っておきたい「採用担当者の視点」

医療事務の求人には、多くの応募が集まります。採用担当者は限られた時間で書類を確認し、面接に呼ぶ人を選ばなければなりません。
ここで大切なのは、文章の上手さではなく、採用側の不安を解消できているかどうかです。
まずは、採用担当者が履歴書のどこに注目しているのか、その視点を理解することから始めましょう。
なぜ、医療事務の志望動機が重要なのか
医療事務は、ただのデスクワークではありません。患者様の受付や会計、電話対応など、多くの人と接する仕事です。そのため、パソコンなどの事務スキルだけでなく、人柄やストレスへの強さも重視されます。
厚生労働省のデータ(職業情報提供サイト job tag)を見ると、医療事務として働く人の半数以上が入職前の経験は特に必要ないとされています。
これは未経験でもチャンスがあるという意味ですが、逆に言えば経験以外の部分で合否が決まるということです。

志望動機は、やる気や人柄、そして仕事内容を正しく理解しているかを見るための重要な材料になります。
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志望動機を書く前提として、そもそも医療事務が日々どのような業務を担っているのかを具体的にイメージできているでしょうか。
受付・会計・レセプトといった実務の中身を正しく理解しておくことは、説得力のある志望動機を書くための土台になります。
仕事内容を詳しく解説した記事がありますので、あわせて確認しておくとよいでしょう。
採用担当者が不安に感じている3つのリスク
採用担当者は履歴書を見る時、採用した後に問題が起きないかを無意識にチェックしています。

この不安を先回りして解消する内容を書くことで、安心感を与えられます。
早期離職
一つ目は、「すぐに辞めないか」です。医療・福祉業界は離職率が高めなので、採用側は長く続けてくれるかを一番気にしています。
条件面だけでなく、その病院の理念への共感や、地域に貢献したいという思いなど、長く働く理由を示すことが大切です。
対人関係
二つ目は、「トラブルにならないか」です。体調の悪い患者様や、待ち時間にイライラしている方への対応も求められます。
そのため、高いコミュニケーション能力や精神的な強さが欠かせません。過去の接客経験などを書き、大変な状況でも冷静に対応できることを伝えましょう。
適正不足
三つ目は、「仕事についていけるか」です。正確さが求められるレセプト(診療報酬明細書)作成や、専門用語の習得ができるかという心配です。
現在資格の勉強をしているなど、学ぶ意欲があることを具体的な行動で示してください。
■志望動機、自分だけで完璧に仕上げるのは難しいもの
採用担当者が何を不安に感じているかは分かっても、それを自分の経験に落とし込んで説得力のある文章にするのは簡単ではありません。
第三者の視点でアドバイスをもらうことで、自分では気づかなかった強みが見えてくることもあります。転職のプロに相談しながら、応募書類の完成度を高めていきませんか。
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2.【状況別】そのまま使える!医療事務の志望動機 例文集

ここからは、具体的な志望動機の例文を紹介します。応募者の状況によって、アピールするポイントは変わります。
未経験の方、ブランクがある方、経験者の方、それぞれの立場で採用担当者の不安を消し、強みを伝えるための構成です。これらの例文をヒントに、自分の言葉で調整してみてください。
未経験・異業種から転職する場合
未経験の場合、医療知識がないことは採用側も分かっています。

そのため、前の仕事で身につけたスキルの中で、医療事務にも活かせるポータブルスキル(持ち運び可能な能力)をアピールしましょう。
特に接客業でのコミュニケーション力や、事務職での正確さは評価されやすいポイントです。
例文
前職ではアパレル販売員として3年間働き、お客様一人ひとりに合わせた提案やクレーム対応を行ってきました。この経験で、相手の立場に立って考え、柔軟に対応する力が身についたと感じています。
貴院の「患者様に寄り添う医療」という理念に共感し、私の接客経験を活かして、患者様の不安を和らげるだけでなく、前職のクレーム対応で培った「相手の言葉を冷静に受け止める力」を活かし、繁忙時でも正確かつ丁寧な対応を心がけます。
現在は医療事務技能審査試験の合格を目指して勉強中で、一日も早く戦力になれるよう努めます。
ブランクあり・主婦(夫)から復職する場合
子育てなどでブランクがある場合、採用側は急な欠勤がないか、仕事の感覚を取り戻せるかを心配します。
家庭環境が整って仕事に集中できることを伝えつつ、過去の経験が今の業務にも役立つことを示しましょう。
例文
出産を機に退職しましたが、子育てが一段落し、家族の協力体制も整ったため、再び医療事務として長く働きたいと思い応募しました。
以前は総合病院で5年間、受付と会計業務を担当していました。ブランクはありますが、その間も医療ニュースには目を通しており、現在は診療報酬改定の内容についても勉強し直しています。
貴院の地域に根差した方針に魅力を感じており、これまでの経験を活かしつつ、新しい知識も吸収して貢献したいです。
経験者がキャリアアップを目指す場合

経験者の転職では、即戦力として期待されます。
前の職場を辞める理由がネガティブなものだったとしても、志望動機では「もっと幅広い業務に挑戦したい」、「専門性を高めたい」といった前向きな理由に変えて伝えるのがコツです。
例文
現在は内科クリニックで3年間、受付からレセプト業務まで一通りの業務を担当しています。幅広い業務を経験する中で、より専門的な知識を深めたいという思いが強くなりました。
貴院は多くの診療科を持ち、先進的な医療を提供されていることから、様々な症例のレセプト業務に携われると考え志望しました。
現職で培った事務処理能力と、患者様への丁寧な対応を活かし、貴院の運営に貢献したいと考えています。
参考|マイナビ転職:医療事務・病院受付に受かる志望動機の書き方|未経験・経験別の例文
▼一緒に読みたい記事
未経験・ブランクあり・経験者と、それぞれの状況に合わせた例文を紹介しましたが、そもそも自分は医療事務という仕事に向いているのか、不安に感じる方もいるかもしれません。
求められる性格や適性、向いていない人の傾向まで詳しく解説した記事がありますので、志望動機を書く前の自己分析としてぜひ活用してください。
3.採用率を高める「言い換え」の技術

志望動機を書く時、本音と建前のバランスに悩むことはよくあります。
安定しているから、家から近いからというのは正直な気持ちですが、そのまま伝えると条件だけで選んでいると思われてしまうかもしれません。
大切なのは、本音を採用する側にとってもメリットのある表現に変えることです。これを心理学でリフレーミング(枠組みを変える)と呼びます。
ここでは、ネガティブになりがちな理由を、ポジティブな志望動機に変えるテクニックを紹介します。
ネガティブな本音をポジティブな志望動機に変える方法
例えば、今の職場が忙しすぎて辛いという理由は、一人ひとりの患者様ともっと丁寧に向き合いたいと言い換えます。
| 本音(ネガティブ) | 志望動機(ポジティブ) |
|---|---|
| 今の職場が忙しくて辛い | 一人ひとりの患者様に丁寧に寄り添いたい |
| 家から近くて通いやすい | 地域密着型の貴院で長く貢献したい |
| 未経験で自信がない | 前職の経験を活かし、基本から吸収したい |
※こうすると、逃げではなくもっと良い仕事をしたいという前向きな意欲として伝わります。
また、家から近くて通いやすいという理由は、地域密着型の貴院で、地元の方々の健康を支える仕事に長く携わりたいと言い換えられます。
通勤しやすさは長く働くために重要ですが、それを地域への貢献や長く働きたいという言葉で表現することで、採用担当者に安心感を与えられます。

未経験で何もできないという不安も、真っ白な状態だからこそ、貴院のやり方を素直に吸収し、基本に忠実に仕事ができますと捉え直すことも可能です。
自分の「強み」を見つける簡単な問いかけ
特別なスキルがないと感じても、これまでの経験の中に強みは必ずあります。それを見つけるために、自分自身にいくつか質問をしてみてください。

まず、これまでの仕事や生活で、誰かに感謝されたことは何かを思い出してみましょう。
「説明が分かりやすいと言われた」、「笑顔で対応してくれて安心したと言われた」といった小さなエピソードこそが、対人スキルの証明になります。

次に、大変だったけれど乗り越えた経験を振り返ります。
困難な状況でどう考え、どう動いたかは、ストレスへの強さや問題解決能力を示す根拠になるからです。
これらのエピソードを掘り起こし、医療事務の仕事にどう活かせるかを考えることが、自分だけの志望動機を作る第一歩です。
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自分の強みを言語化できたら、次はその強みを裏付ける客観的な材料として資格取得も検討してみましょう。
医療事務は資格がなくても働ける職種ですが、取得することでどんなメリットがあるのか、主要な資格の種類とあわせて詳しく解説した記事がありますので、志望動機に説得力を持たせたい方はぜひ参考にしてください。
■本音を言葉にする作業、一人で悩んでいませんか
ネガティブな本音をポジティブな志望動機に言い換えるテクニックを紹介しましたが、実際に自分の言葉でうまく表現できるか不安な方もいるでしょう。
転職エージェントに相談すれば、あなたの経験や希望条件をヒアリングしたうえで、応募先に響く伝え方を一緒に考えてもらうことができます。
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4.志望動機以外も重要!履歴書・面接で気をつけるポイント

志望動機がどれほど素晴らしくても、それ以外の部分で評価を下げてしまってはもったいないです。
特に未経験者の場合、資格の有無や面接での受け答えは、やる気や適性を判断する大切なポイントになります。
履歴書作成や面接対策において、志望動機と合わせて意識しておくべき点を確認しましょう。
資格は必要?「勉強中」でもアピールになる理由
医療事務は資格がなくても働けますが、あるに越したことはありません。しかし、これから転職活動を始めるなら、資格を取るまで待つ必要はありません。
「現在、資格取得に向けて勉強中です」と伝えることが、強いアピールになるからです。
採用担当者は、今の知識量だけでなく、新しいことを学ぼうとする学習意欲や、目標に向かって努力できる自走力を見ています。
具体的に「メディカルクラークの資格取得を目指して、毎日1時間勉強しています」のように伝えると、説得力が増すでしょう。

これは、入社した後も複雑な仕事や制度の変更についてこられる人だという証明になります。
参考|日本医療教育財団:試験概要|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
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「勉強中」であることをアピールするなら、数ある医療事務資格の中でどれに挑戦するかを具体的に決めておきたいところです。
難易度や合格率、活躍の場ごとに主要資格を比較し、自分のキャリアビジョンに合った選び方を詳しく解説した記事がありますので、資格選びで迷っている方はぜひチェックしてみてください。
面接でよく聞かれる質問と対策
面接では、履歴書に書いた志望動機について詳しく聞かれるのが一般的です。
「なぜこの病院なのか」「具体的にどんな業務で貢献できるか」といった質問に、自分の言葉で答えられるよう準備しておきましょう。

また、面接の最後にある逆質問もチャンスです。
「特にありません」と答えるのではなく、「現場で活躍している人の共通点はありますか」「入社までに準備しておくべきことはありますか」などです。

働く姿をイメージした質問をすることで、意欲の高さをアピールできます。
▼一緒に読みたい記事
志望動機や面接対策をしっかり準備できたら、次に気になるのは実際に働き始めてからの給料や年収ではないでしょうか。
公的データと求人市場の給料差の理由や、収入アップにつながる具体的な戦略までまとめて解説している記事がありますので、入社後のキャリアプランを考える参考にしてください。
5.等身大の言葉で「長く働きたい」という熱意を伝えよう
医療事務の志望動機で一番大切なのは、採用担当者が抱える「すぐに辞めないか」「適性はあるか」という不安を消して、信頼してもらうことです。
これまでの経験から得た強みを、医療現場でどう活かせるか、そしてこの職場で長く貢献したいという思いを、論理的かつ誠実に伝えることが採用への第一歩です。
自分の言葉で語られた志望動機は、必ず相手の心に響くはずです。
■書類選考から面接まで、一緒にサポートしてもらいませんか
志望動機を練り上げたら、次は実際の応募先探しと面接対策です。
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