「医療事務の資格を取りたいけど、種類が多すぎてどれを選べばいい?」という疑問を持つ方は多いです。
本記事では、主要な資格の難易度・合格率を比較しながら、活躍の場・学習スタイル・キャリアビジョン別に整理して解説します。
- 主要な医療事務資格の種類・難易度・合格率の違い
- 働きたい場所(病院・歯科・薬局)別に選ぶべき資格の区分
- 失敗しない資格選びの基準
1.医療事務に国家資格はない?まずは基本をチェック
🏥 医療事務を目指す前に知っておきたいこと
医療事務には
国家資格が存在しません
すべて「民間資格」
現在ある資格はすべて、民間団体や企業が独自の基準で認定しているものです。
無資格でも働ける
法的な制限はないため、資格がなくても医療事務として働くことは可能です。
スキルの証明に
客観的な能力の証明として、就職・転職時には資格取得が強く推奨されています。
2.【比較】主要な医療事務の資格の種類

医療事務の資格は種類が多く、名称だけでは違いがわかりにくいのが実情です。
ここでは代表的な4つの資格について、難易度・合格率・試験方式を整理し、自分に合った資格選びの参考になるよう比較します。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療機関での受付・会計・レセプト業務に必要な知識とスキルを証明する民間資格です。
毎月実施されるIBT方式で受験しやすく、合格率は60〜70%と適度な難易度が特徴です。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)試験概要
受験資格・日程・試験内容・合格基準の一覧
受験資格
制限なし
どなたでも受験可
試験日程
毎月実施
土日中心・月複数回
受験料
8,800円
税込(医科・歯科)
試験方式
IBT方式
試験官による監視あり
申込方法
ネット申込み
試験日1ヵ月前〜1週間前まで
合格称号
メディカルクラーク®
医科・歯科
50分 60問
医療事務知識
入力・選択(〇×・択一)方式
参考資料の閲覧可
70分
患者接遇 択一・2事例
診療報酬明細書の作成 択一・2症例
基本診療料等の計算 入力・15問
外来会計の点検・病名突合 択一・2症例
歯科治療の点検・病名突合 択一・2症例
合格基準
学科・実技ともに各得点率70%以上で合格
この資格の最大の特徴は、レセプト業務(診療報酬明細書の作成)だけでなく、「接遇・マナー」が試験科目に含まれている点です。
患者様と接する際の対人スキルが証明できるこの資格は、未経験からの就職において強力な武器になります。毎月試験が実施されており、挑戦しやすい環境が整っているのも魅力の一つです。
参考:一般財団法人日本医療教育財団|医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医科 医療事務管理士®技能認定試験
医療事務管理士は、60年近い歴史ある資格の一つであり、現場での知名度が高い資格です。
取得後は職場での信頼度向上や昇進・資格手当の対象になるケースも。即戦力として採用されやすくなるため、長期キャリアを目指す方におすすめです。
医科 医療事務管理士®技能認定試験 概要
在宅試験・インターネット受験の2方式を比較
受験資格
制限なし
どなたでも受験可
受験種目
医科 医療事務管理士®
実技試験/学科試験
出題範囲
医療保障制度に基づく
法規・保険請求・医学一般
毎月実施
(外来1問・入院1問)
学科:約80%以上
随時受験可
実技120分・学科60分
(外来1問・入院1問)
出題範囲(共通)
在宅試験 合格基準
実技:各60%以上かつ3問合計80%以上
学科:約80%以上
インターネット受験 合格基準
学科・実技の総合計70%以上
試験は在宅試験とインターネット受験の2方式から選べる利便性が特徴で、毎月受験のチャンスがあります。
合格率は70~80%ほどと実施回により異なりますが、取得後は即戦力として職場での評価向上やキャリアアップにも直結します。
参考:JSMA 技能認定振興協会|医科 医療事務管理士®技能認定試験/合格実績
医療秘書技能検定試験
医療秘書技能検定試験は、医療秘書としての専門知識と技能を認定する資格です。医療機関にとっては採用時のスキル判断の基準として活用されています。
医療秘書技能検定試験 概要
領域・合格基準・級別構成の一覧
級
1級
級
準1級
級
2級
級
3級
医療秘書・法規
医療秘書実務
医療機関の組織・運営
医療関連法規
医学・医療知識
医学的基礎知識
医療関連知識
医療事務
レセプト作成
診療報酬点数表の理解
配点
各領域100点ずつ
合計300点満点
合格基準
合計180点以上(60%以上)
かつ各領域60%以上
📌 3領域すべてで60%以上を取得したうえで、合計点が180点以上の場合に合格となります。
勉強時間は難易度によりますが、3級が数週間、級が上がると1~2年ほどかかります。
試験に合格後は医療事務を含めて、病棟クラーク、院長秘書、部長秘書、医局秘書等の業務を行います。
参考:一般社団法人医療秘書教育全国協議会|個人受験/審査基準/学校法人川口学園早稲田速記医療福祉専門学校|医療秘書になるには?必要なスキルや役立つ資格を紹介!
医療事務検定試験
受付・会計業務を中心とした医療事務の基礎知識、技能が審査される医療事務の基礎的な資格です。
医療事務検定試験 概要
受験方法・試験科目・出題範囲・合格基準の一覧
受験方法
自宅受験
期日までに提出
試験日
毎月実施
第4日曜日
合格基準
総得点の70%程度
難易度で補正あり
25問
正誤問題 20問
記述問題 5問
2問
会計欄作成
外来 1問
入院 1問
学科 出題範囲
実技 出題範囲
合格基準
総得点の70%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点で合格
医療事務の基本的な仕組みや点数計算の基礎を問う内容が中心で、勉強時間は3~4ヶ月ほどと短めです。
また合格率が94.4%非常に高いため、未経験者や就業した後に現場の知識と合わせながら上位資格を目指しやすい資格と言えます。
3.医療事務の資格はなぜ「種類が多い」と言われるのか?

医療事務の資格が多い理由は、活躍の場・認定団体・受験方式がそれぞれ異なるためです。
この構造を理解することで、数ある資格の中から自分に本当に必要なものを選ぶ視点が身につきます。
【領域別】活躍の場が変わる「4つの大きな区分」
医療事務の資格は、将来どこで働きたいかによって、大きく4つの種類に分類されます。まずはこの「区分」を理解することが、資格選びの第一歩です。
医療事務 活躍の場が変わる4つの区分
医科(一般病院・クリニック)
大学病院から近所のクリニックまで、最も幅広い医療機関で活躍できる区分です。
未経験からも目指しやすい歯科
歯科医院に特化した区分です。歯科固有の診療報酬体系があり、医科とは別の専門知識が必要です。
歯科勤務希望者向け調剤
調剤薬局での事務に特化した区分です。薬剤費の計算が中心で、比較的短期間での取得が可能です。
薬局勤務希望者向けDPC(入院報酬)
大規模病院の入院報酬計算に特化した高度な区分です。経験者がキャリアアップとして目指すケースが多いです。
経験者のステップアップにどの区分を選ぶかによって、学ぶべき内容も受験すべき資格も大きく変わります。
まずは「自分がどこで働きたいか」を明確にしたうえで、その領域に合った資格を選ぶことが、最短での就職・転職成功につながります。
「主催団体の実績と信頼性」による評価の違い
認定団体で立ち位置を見極める
歴史・認知度・実務評価の違いを把握して選ぶ
日本医療教育財団
50年以上の実績を持ち、多くの医療機関で認知されている。メディカルクラーク®は求人票への掲載実績も豊富。
業界認知度が高い技能認定振興協会(JSMA)
実務に即した試験内容として現場から評価される。医療事務管理士®は即戦力の証明として機能する。
実践スキルの証明民間資格の中にも、歴史の長さや業界内での認知度によって「格付け」のようなものが存在します。
例えば、日本医療教育財団が主催する「メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)」は、50年以上の歴史があり、多くの医療機関で認知されています。
一方、技能認定振興協会(JSMA)などが実施する試験は、より実務に即した内容として評価されています。
どの団体の資格を取得するかは、その資格が「求人票の条件」に記載されやすいかどうか、という視点で選ぶのが賢明です。
【学習スタイル別】「在宅受験」と「会場受験」で分かれる資格の種類
受験方式はライフスタイルで選ぶ
在宅受験と会場受験、自分に合う方式を確認しよう
自宅で受験できる
試験会場で受験する
医療事務の資格は、学習スタイルに合わせて「在宅受験」と「会場受験」の2種類に分かれます。
在宅受験は自宅で受験でき、テキスト持ち込み可の試験が多いため、働きながら取得を目指す方や育児中の方に向いています。
一方、会場受験は試験の公式性が高く、履歴書での信頼度が上がりやすい傾向があります。
自分のライフスタイルに合った受験方式を選ぶことも、資格取得成功の重要なポイントです。
4.失敗しないための資格選び

資格の種類を把握したら、次はライフスタイルや目標とするキャリア像に合わせた基準を整理します。
現場での評価・将来のキャリアビジョンの2軸を押さえることで、取得後に後悔しない選択ができます。
現場での評価(求人数と手当の有無)
現場での評価を確認する
合格率・難易度だけでなく、職場での認知度と手当の有無もチェック
求人票で資格名を確認
「メディカルクラーク® 優遇」など、特定の資格名が記載される求人は多い。認知度の高い資格ほど就職・転職で有利になる。
資格手当の対象か調べる
支給対象の資格を取得すれば毎月の収入アップに直結。取得前に複数の医療機関の手当制度をリサーチしよう。
資格を選ぶ際には、合格率や難易度だけでなく「現場での評価」も重要な基準です。
医療機関の求人票には「メディカルクラーク®優遇」など特定の資格名が記載されるケースがあり、認知度の高い資格ほど就職・転職で有利になります。
また、資格手当の支給対象となる資格を取得することで、毎月の収入アップにつながる場合があります。
取得前に求人情報をリサーチし、現場で評価される資格を選ぶことが大切です。
将来のキャリアビジョン
キャリアビジョンから逆算する
5年後・10年後の自分の姿を明確にしてから資格を選ぶ
パート勤務希望
柔軟な働き方に対応した実務系の資格が向いている
正社員で長く働きたい
認知度が高く、キャリアアップにつながる資格を選ぶ
医師事務補助を目指す
対象業務に特化した専門資格の取得が必要になる
資格選びで最も重要なのは、将来のキャリアビジョンを明確にすることです。
「クリニックでパート勤務したい」のか「大病院で正社員として長く働きたい」のか、あるいは「医師事務作業補助者などの専門職を目指したい」のかによって、取得すべき資格は大きく異なります。
目先の難易度や合格率だけで選ぶのではなく、5年後・10年後の自分の姿から逆算して資格を選ぶことが、長期的なキャリア形成につながります。
5.医療事務の資格の種類と選び方
医療事務の資格の種類は多いですが、「活躍する場所」「学習スタイル」「キャリアビジョン」の3軸で整理すると、自分に合った資格が見えてきます。
まずは働きたい医療機関を明確にし、現場で評価される資格を選ぶことが大切です。合格率や難易度だけで判断せず、5年後・10年後の自分から逆算した選択が、長期的なキャリア形成の近道になります。






