介護職30代の年収は、職種や資格、働く施設によって差が生まれます。
「給料が低い」というイメージだけで判断するのは早計です。
本記事では、30代における介護職の年収実態を公的データから解説。自身の立ち位置を把握し、持続的なキャリアを築くためのステップをご紹介します。
- 30代介護職の平均年収・手取り額の目安
- 資格・施設形態・男女別の年収格差
- 30代から年収を上げるための3つのキャリアアクション
1.介護職の30代の平均年収と手取りの目安

介護職として働く30代の平均年収はどのくらいか、男女別の年収・月収データや額面と手取りの違い、男女間に生じる約33万円の収入差まで、厚生労働省の調査データをもとに詳しく解説します。
介護職の30代男女別の平均給与

30代介護職の平均年収は男性約427万円、女性約394万円で、約33万円の男女差があります。月収換算では男性35.6万円、女性32.8万円と約2.8万円の開きがあります。
介護職は女性比率が高い職種でありながらこの格差が存在しており、処遇改善や同一賃金の推進が今後の重要な課題といえます。
「額面」と「手取り」の目安
給与明細に記載される額面から、所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料が差し引かれた手取り額は、一般的に額面の75〜80%程度になります。

30代介護職の手取り年収は男性が約320〜341万円、女性が約295〜315万円となっており、男女間で約25〜30万円の差があります。
額面年収でも男性427万円・女性394万円と33万円の開きが見られます。
同じ介護職でも、夜勤対応の頻度や管理職への就任率、勤続年数などの違いが収入差につながりやすい業界構造があると考えられ、これは介護業界に限らず多くの職種で見られる傾向とも言えそうです。
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ここまで30代介護職の年収相場を見てきましたが、介護職全体では年齢・職種・地域によってどの程度給与が変わるのでしょうか。職種別・資格別・地域別の平均給与データと、年収アップにつながる具体的な方法について、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。今後のキャリアを考える参考にしてみてください。
2.給料を左右する要素

介護職の給料は資格や施設形態によって大きく変わります。
保有資格別の年収差や施設種別ごとの給与傾向、収入を最大化する組み合わせまで、データに基づいて詳しく解説します。
保有資格別・介護職の給与目安
| 保有資格 | 平均月収 | 推定年収 |
| ケアマネ | 38.8万円 | 約466万円 |
| 介護福祉士 | 35.0万円 | 約420万円 |
| 実務者研修 | 32.7万円 | 約392万円 |
| 初任者研修 | 32.5万円 | 約390万円 |
| 無資格 | 29.1万円 | 約349万円 |
無資格の約349万円に対し、介護福祉士は約420万円、ケアマネージャーは約466万円と保有資格によって年収に差が生じます。
初任者研修と実務者研修の差はわずか2万円程度で、介護福祉士やケアマネ取得が収入アップへの効果的なステップといえます。
💡 ポイント
専門資格(ケアマネ・介護福祉士)を取得することで、無資格と比較して年収で約70〜117万円の差が生じます。
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無資格と比べて約71万円も年収が高くなる介護福祉士。資格を取得することで収入がどれだけ変わるのか、施設別の給与データや手取り額の目安、さらなる収入アップの方法について、こちらの記事でより詳しく解説しています。資格取得を検討中の方はぜひチェックしてみてください。
介護職 サービス別・推定年収(30代)
夜勤手当や処遇改善加算の算定率が高い施設ほど、給与水準が高くなる傾向があります。施設形態別の常勤平均年収は以下のとおりです。
| 施設種別 | 男性(年収) | 女性(年収) |
| 特定施設入居者生活介護 | 450万円 | 445万円 |
| 介護老人福祉施設 | 449万円 | 409万円 |
| 訪問介護事業所 | 445万円 | 417万円 |
| 介護老人保健施設 | 430万円 | 400万円 |
| 介護医療院 | 412万円 | 385万円 |
| 通所リハビリ | 408万円 | 360万円 |
| 通所介護事業所 | 386万円 | 355万円 |
| 小規模多機能型居宅 | 380万円 | 354万円 |
| 認知症対応型共同生活 | 365万円 | 352万円 |
💡 ポイント
上記は「平均月収×12ヶ月」の推計値です。施設形態(夜勤の有無やサービス形態)によって、年収に最大100万円近い格差が生じています。
介護職員の年収は施設種別によって異なります。
男性では特定施設や介護老人福祉施設が450万円前後と高く、認知症対応型共同生活介護は365万円と最低水準で約85万円の差があります。
女性も同様の傾向で、最大約90万円の格差が生じており、職場選びが収入に直結することがわかります。
資格×施設形態 年収の組み合わせランキング
資格別年収と施設別年収(厚労省データ)を組み合わせた推定ランキングです。
| 順位 | 資格 × 施設形態 | 資格年収 / 施設年収 |
| 🥇 1 | ケアマネ × 特定施設・介護老人福祉施設 | 資格 466万 / 施設 450万前後 |
| 🥈 2 | 介護福祉士 × 特定施設・介護老人福祉施設 | 資格 420万 / 施設 450万前後 |
| 🥉 3 | ケアマネ × 認知症対応型共同生活介護 | 資格 466万 / 施設 365万 |
| 4 | 介護福祉士 × 認知症対応型共同生活介護 | 資格 420万 / 施設 365万 |
| 5 | 無資格 × 特定施設・介護老人福祉施設 | 資格 349万 / 施設 450万前後 |
| 🚨 6 | 無資格 × 認知症対応型共同生活介護 | 合算 約350万前後 |
資格×施設形態の組み合わせでは、ケアマネジャーや介護福祉士などの上位資格を保有し、特定施設や介護老人福祉施設など処遇改善加算・夜勤手当が充実した施設で勤務するケースが最も年収が高い傾向にあります。
特にケアマネ×特定施設の組み合わせが最高水準(資格466万円/施設450万円前後)。逆に無資格×グループホームは最も低く、資格取得と施設選びの両方が年収を左右することがわかります。
■資格と職場の相乗効果で理想の給料を掴むには?
介護職の給料は、保有する資格と働く職場の掛け合わせによって驚くほど大きな差が生まれます。しかし、「今の資格で一番高く評価してくれる職場はどこか」「これから資格を取るならどの施設が有利か」を個人で判断するのは簡単ではありません。そんなときは、業界の内部事情に精通したプロに相談するのが確実です。
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3.30代から年収アップを目指すキャリアロードマップ

30代はキャリアの途上です。年収500万円を目指すために今から取り組める3つのアクションを紹介します。
上位資格の計画的な取得
「介護福祉士」は収入向上のベースラインとなる資格です。
取得後は実務経験を積みながらケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格を満たすルートを計画することで、給与テーブルそのものを引き上げることができます。
まずは保有資格の現状と次のステップを整理するところから始めてみましょう。
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介護福祉士の次のステップとして注目したいのが、ケアマネジャー(介護支援専門員)です。具体的な仕事内容や資格取得の条件、給与水準について、こちらの記事で詳しく解説しています。将来のキャリアアップを見据えて、早めに情報を確認しておきましょう。
介護職員等処遇改善加算(Ⅰ〜Ⅳ)サービス別加算率一覧
現在の職場で昇給が見込めない場合、処遇改善加算を積極的に算定・配分している大規模法人や、夜勤手当が充実している施設への転職を検討する選択肢があります。
添付していただいた画像「介護職員等処遇改善加算 サービス別加算率(令和8年6月改定)」の内容を表(テーブル)に整理しました。
加算率は区分が高い(Ⅰ)ほど手厚く、訪問介護や認知症対応型が最高水準に設計されています。
| サービス区分 | 区分Ⅰ(最高)イ / ロ | 区分Ⅱイ / ロ | 区分Ⅲ | 区分Ⅳ(最低) |
| 訪問介護 | 27.0% / 28.7% | 24.9% / 26.6% | 20.7% | 17.0% |
| 夜間対応型・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 26.7% / 27.8% | 24.6% / 25.7% | 20.4% | 16.7% |
| 訪問入浴介護★ | 12.2% / 13.3% | 11.6% / 12.7% | 10.1% | 8.5% |
| 通所介護 | 11.1% / 12.0% | 10.9% / 11.8% | 9.9% | 8.3% |
| 地域密着型通所介護 | 11.7% / 12.7% | 11.5% / 12.5% | 10.5% | 8.9% |
| 通所リハビリテーション★ | 10.3% / 11.1% | 10.0% / 10.8% | 8.3% | 7.0% |
| 特定施設入居者生活介護★・地域密着型特定施設 | 14.8% / 15.9% | 14.2% / 15.3% | 13.0% | 10.8% |
| 認知症対応型通所介護★ | 21.6% / 23.6% | 20.9% / 22.9% | 18.5% | 15.7% |
| 小規模多機能型居宅介護★ | 17.1% / 18.6% | 16.8% / 18.3% | 15.6% | 12.8% |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | 16.8% / 17.7% | 16.5% / 17.4% | 15.3% | 12.5% |
| 認知症対応型共同生活介護★ | 21.0% / 22.8% | 20.2% / 22.0% | 17.9% | 14.9% |
| 介護老人福祉施設・地域密着型・短期入所生活介護★ | 16.3% / 17.6% | 15.9% / 17.2% | 13.6% | 11.3% |
| 介護老人保健施設・短期入所療養介護(老健)★ | 9.0% / 9.7% | 8.6% / 9.3% | 6.9% | 5.9% |
| 介護医療院・短期入所療養介護(介護医療院・病院等)★ | 6.2% / 6.6% | 5.8% / 6.2% | 4.7% | 4.0% |
介護職員等処遇改善加算(新設)
新しく処遇改善加算の対象に追加されたサービス区分の加算率です。
| 新設サービス区分 | 加算率 |
| 訪問看護★ | 1.8% |
| 訪問リハビリテーション★ | 1.5% |
| 居宅介護支援・介護予防支援 | 2.1% |
💡 知っておきたい補足
- 加算率は総報酬単位数に乗じて算定され、各サービスごとの常勤換算職員数に基づいて設定されます。
- この加算は介護職員の処遇改善や賃上げに直接充てられるための財源となります。
転職活動の際は、求人票に記載された月収だけでなく「処遇改善加算手当の支給有無」や「加算の取得状況」を必ず確認することが重要です。
添付していただいた画像「介護職員の離職率の推移(令和2~6年度)」の内容を表(テーブル)に整理しました。
介護職員の離職率の推移(令和2~6年度)

| 年度 | 離職率 | 前年比の増減率 |
| 令和2年度(R2) | 14.9% | — |
| 令和3年度(R3) | 14.3% | -0.6% |
| 令和4年度(R4) | 14.4% | +0.1% |
| 令和5年度(R5) | 13.1% | -1.3% |
| 令和6年度(R6) | 12.4% | -0.7% |
なお、令和6年の介護業界の離職率は12.4%と全産業平均(15.4%)を下回っており、定着しやすい傾向にあります。
一方で、無資格と介護福祉士の年収差は約71万円にのぼります。定着しやすい環境だからこそ、資格取得を先延ばしにしたまま低年収に留まるリスクにも注意が必要です。30代のうちに資格・職場の両面を意識的に見直すことが、将来の収入に大きく影響します。
参考:公益財団法人介護労働安定センター|令和6年度介護労働実態調査結果の概要
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介護業界は定着率が高い一方で、給与に不満があっても転職に踏み出しにくいという面もあります。離職率の実態と、統計や労働法規にもとづいた「長く働ける職場」の見極め方について、こちらの記事で詳しく解説しています。転職を検討する際の参考にしてください。
管理職・リーダー職へのステップアップ
現場職にとどまらず、フロアリーダーや施設長などの管理職ポストを目指すことも年収を引き上げる有効な方法です。
スタッフの指導やシフト管理、サービス計画立案などのマネジメント経験を積むことで、役職手当が加算されるポジションへの道が開けます。
管理職を目指すうえでは、介護福祉士資格の保有と現場での実績が重要な判断基準になります。

主にサービス計画立案(ケアプラン)を行うのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)です。
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資格取得や職場選びの方向性が見えてきたら、次は実際の転職活動です。介護業界に特化した転職エージェント6社を比較し、目的別の選び方や失敗を防ぐ活用法について、こちらの記事で詳しく紹介しています。転職を成功させるための参考にぜひご覧ください。
4.介護職の30代の年収についてよくある質問

30代介護職の年収にまつわる疑問を、よくある質問形式でまとめました。気になる点から確認してみてください。
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介護職の30代の手取り額はいくらですか?
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額面の75〜80%が一般的な目安です。
30代の介護職全体で見ると、手取り年収は約277万〜331万円程度、月の手取りは23万〜28万円程度になります。
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介護福祉士の資格を取ると年収はどのくらい変わりますか?
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無資格(約349万円)と比べて、介護福祉士は約420万円と+約71万円の差があります。
年収を上げるうえで、介護福祉士の資格の取得は効果的と言えます。
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介護職で年収500万円を目指すことはできますか?
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ケアマネジャーや施設長などの役職を目指したり、夜勤手当が充実している施設を選んだりすることで、年収500万円を目指せる環境に近づく可能性があります。
一般的には「上位資格の取得」「処遇改善加算の算定率が高い施設への転職」「管理職へのステップアップ」の3つが主な方法として挙げられます。
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30代女性の介護職は産休・育休後に年収が下がりますか?
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育休・産休後に時短勤務や夜勤の免除を選択した場合、夜勤手当や各種加算が減少し、手取り収入が一時的に下がるケースがあります。
施設によって時短勤務制度や育児支援加算の取り組みが異なるため、復職後の働き方について入職前に確認しておくことが重要です。
5.介護職30代の年収は「資格×職場選び」で変わる
介護職30代の年収は、職種・資格・施設形態によって大きく異なります。
手取りは約277万〜331万円が目安ですが、介護福祉士やケアマネジャーの資格取得、処遇改善加算率の高い施設への転職、管理職へのステップアップによって、年収500万円を目指せる可能性が広がります。
まずは現在の資格と職場の組み合わせを見直すことが、収入アップへの第一歩です。
■管理職・リーダー職へのキャリア構築を伴走サポート
将来的な年収500万円超えを見据えるなら、現場での実務経験を積みつつ、早い段階からリーダー職や主任、施設長といった管理職候補としての道を作っておく必要があります。
「マネジメントの経験がない」「今の職場では上のポストが詰まっている」という方でも心配いりません。あなたの将来像に寄り添い、ステップアップを強力にバックアップしてくれる法人をご紹介します。
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