サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、夜勤が少なく生活リズムを整えやすいですが、仕事内容や給与、求められるスキルは病院とは大きく異なります。
この記事では、サ高住で働く看護師の仕事内容・1日の流れ・給与・メリットデメリットまで詳しく解説します。
- サ高住の看護師の具体的な仕事内容と1日の流れ
- サ高住看護師の給与相場(正社員・パート別)
- サ高住勤務が向いている看護師の特徴と職場選びのポイント
1.サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは?

サ高住は、自立から軽度の要介護高齢者が暮らす賃貸住宅です。
病院や特養とは役割が異なり、看護師に求められるスキルや働き方も大きく変わります。
サ高住の役割や内容
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは
主に自立から軽度の要介護高齢者が安心して暮らせる、バリアフリー構造の賃貸住宅
最大の特徴は、専門スタッフによる日々の「安否確認」と「生活相談」サービスが備わっている点です。
老人ホームなどの施設とは異なり、外出や生活の自由度が高く、自宅のように自分のペースで暮らせます。

「食事の提供」「介護の提供」「家事の供与」「健康管理の供与」のいずれかを実施している場合、有料老人ホームに該当することとなります。
サ高住の約96%が有料老人ホームに該当すると推定されています。
参考:厚生労働省|介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」|サービス付き高齢者向け住宅について
他の介護施設(特養・老健など)や病院との役割の違い
他の介護施設や病院と比較すると、サ高住の立ち位置がより明確になります。
例えば、特別養護老人ホーム(特養)は要介護度が高い方が中心で看取りケアも多く、介護老人保健施設(老健)は在宅復帰を目指したリハビリが中心です。
一方、サ高住は比較的自立度が高い方が多く、高度な医療機器も備えられていないため、急性期病院のような慌ただしさや、高度な医療処置を求められる場面は少なくなります。
利用者の「日常」に寄り添い、身体的・精神的な変化をいち早く察知して予防に努めることが、サ高住における看護師の重要な役割です。
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サ高住での看護師の働き方を理解するうえで、介護と看護の違いを知っておくことは重要です。仕事内容・資格・給与の観点から両者を比較することで、自分のキャリアにとってどちらの方向性が合っているかを判断する材料になります。転職や資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
2.「一般型」と「介護型」で異なる人員配置基準

サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があり、看護師の配置義務や業務範囲はそれぞれ異なります。
一般型のサ高住
一般型は、主に自立から軽度の要介護者を対象とした賃貸住宅です。外出などの自由度が高く、自宅のように自分のペースで生活できます。
法令による看護師の配置義務はありません。介護や医療が必要な場合は、外部の訪問介護や訪問看護サービスなどを個別に契約して利用します。
緊急時は居室の通報装置で当直員等が対応し、救急要請や家族への連絡を行います。
介護型のサ高住
介護型は「特定施設」の指定を受けたサ高住であり、法令により介護・看護職員の配置が義務付けられています。
特定施設(介護型サ高住)における職員配置基準は、以下の通りです。
| 区分 | 配置基準 |
|---|---|
| 基本配置(看護・介護職員) | 要支援者10名に対し職員1名 / 要介護者3名に対し職員1名 |
| 看護職員 | 要介護者等が30名まで→1名、31名以上は50名増えるごとに+1名 |
| 夜間帯 | 介護・看護職員1名以上 |
主に日中のバイタルチェック、服薬管理、インスリン注射などの健康管理を担います。
夜間の場合、介護・看護職員の1名以上配置が義務付けられています。
3.サ高住で働く看護師の具体的な仕事内容

バイタルチェックや服薬管理が中心ですが、生活相談への対応や多職種連携など、病院とは異なる業務も多くあります。
具体的な内容を確認しておきましょう。
安否確認・健康管理・バイタルチェック

サ高住でのメイン業務となるのが、日々の健康管理です。毎日のバイタルチェック(血圧、体温、脈拍などの測定)や、顔色・食欲の確認を通じて、入居者の健康状態を把握します。
また、定期的な巡回による安否確認や、服薬管理も重要な仕事です。小さな変化を見逃さず、体調不良の早期発見と対応につなげる観察力が求められます。
施設内で求められる医療処置の範囲

サ高住で行う医療処置は、基礎的なものが中心です。主な処置の種類は以下の通りです。
- インスリン注射
- たん吸引
- 胃ろうの管理
- 褥瘡(床ずれ)の処置
救急対応や高度な医療行為は少なく、容態が急変した場合は、協力医療機関への連絡や救急搬送の手配を行い、あらかじめ定められたマニュアルや連携機関の指示に従うことが主な対応となります。
生活相談への対応

入居者やその家族から、日々の生活に関するさまざまな相談を受けます。
「最近眠れない」「食欲がない」といった健康面の悩みから、生活リズムや人間関係の不安まで幅広く対応します。
医療の専門家として的確なアドバイスを行いながら、必要に応じてケアマネジャーや相談員と連携し、入居者が安心して生活できる環境づくりをサポートします。
介護スタッフや他職種との連携

サ高住では、介護職員やケアマネージャー、生活相談員など、多職種との連携が不可欠です。
入居者のちょっとした体調の変化を介護スタッフから共有してもらったり、逆に医療的な視点から介護スタッフへケアの助言を行ったりします。
チームケアの視点を持ち、コミュニケーションを円滑にとることが、安全で質の高いサービス提供につながります。
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サ高住での看護師の仕事には、ケアマネジャーとの連携が欠かせません。ケアマネジャーがどのような役割を担い、どのように連携しているかを知ることで、チームケアの全体像をよりイメージしやすくなります。ケアマネの仕事内容・資格取得・給与まで幅広く解説しています。
4.サ高住で働く看護師の1日の流れ

日勤中心のシフトが多いサ高住では、規則正しいスケジュールで業務が進みます。日勤(8:30〜17:00)のモデルケースをもとに、業務の流れをイメージしてみましょう。
| 時間 | 業務内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| 8:30 | 出勤・申し送り | 夜勤スタッフから引き継ぎ。体調変化や緊急対応の有無を確認し、その日の優先事項を把握する |
| 9:00 | バイタルチェック・健康観察 | 入居者を巡回し、血圧・体温・脈拍・SpO₂を測定。異常があれば医師へ速やかに報告する |
| 10:00 | 服薬管理・投薬補助 | 朝・昼の服薬準備と確認。飲み忘れや副作用の有無をチェックし、記録を更新する |
| 10:30 | 生活相談・コミュニケーション | 入居者からの相談に対応。体調の悩みから日常生活の不安まで、丁寧に傾聴・助言する |
| 11:00 | 医療処置・ケア | 医師の指示に基づき、褥瘡処置・点滴管理・カテーテルケアなどの医療的ケアを実施する |
| 12:30 | 昼食サポート・嚥下観察 | 食事介助の補助や嚥下状態の確認。摂取量を記録し、リスクのある方は重点的に観察する |
| 13:30 | 記録・ケアプラン確認 | 午前の対応内容を記録。ケアマネジャーやリハビリスタッフと情報共有し、ケア方針を確認する |
| 14:00 | 午後のバイタル・巡回 | 午後の体調変化を確認。介護スタッフへの指導や注意事項の申し伝えも行う |
| 17:00 | 申し送り・退勤 | 夜勤スタッフへ引き継ぎ。注意が必要な入居者の情報を共有し、安全な夜間ケアにつなげる |
サ高住の看護師は、出勤後すぐに夜勤スタッフから申し送りを受け、入居者のバイタルチェックや服薬管理を行います。
施設利用者からの生活相談や医療処置を経て、昼食時の嚥下観察も担当。午後は記録・情報共有や巡回を行い、夜勤スタッフへの申し送りで1日を締めくくります。

サ高住の看護師は日勤のみの場合が多く、施設によって夜勤やオンコール対応が必要な場合もあります。
■サ高住の看護師求人をお探しの方へ
サ高住での看護師の仕事内容や1日の流れをご覧いただき、「自分に合っているかも」と感じた方は、ぜひ求人探しを始めてみましょう。
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5.サ高住で働く看護師の平均給与

給与は雇用形態や保有資格によって異なります。東京都のサ高住を例に、正社員・パート・派遣それぞれの給与相場を確認しておきましょう。
東京都のサ高住の看護師の平均給与

| 雇用形態 | 月給・時給 | 年収目安 |
|---|---|---|
| 正社員(常勤) | 月給28万〜40万円以上 | 400万〜500万円以上 |
| パート・派遣(非常勤) | 時給2,000〜2,900円 | 約240万〜350万円(週4・1日6時間換算) |
正看護師の場合、月給30万円〜37万円(年収450万円〜460万円前後)からのスタートが一般的です。
経験不問でも月給38万円以上を保証する求人や、新規オープンの施設などでは月給40万円を超えるものもあります。
一方、准看護師の場合は、月給20万円台後半〜30万円程度(年収380万円前後)がひとつの目安となっています。
非常勤は派遣社員としての募集が多く、高時給なのが特徴です。エリアによっても異なりますが、時給2,400円〜2,700円台から、時給2,500円〜2,900円といった好待遇の案件が目立ちます。週払いや日払いに対応している求人も豊富です。

東京都の場合の平均給与の目安です。
地域や夜勤の有無、業務範囲などにより変わります。
参考:株式会社カカクコム|求人ボックス|サービス付き高齢者向け住宅 看護師の仕事 – 東京都 –
看護師(役職者除く)の平均給与

厚生労働省のデータをもとに、看護師全体(役職者除く)の平均月収の推移を確認しましょう。
| 年度 | 平均月収(万円) |
|---|---|
| H24(2012年) | 39.2 |
| H25(2013年) | 39.4 |
| H26(2014年) | 39.4 |
| H27(2015年) | 39.9 |
| H28(2016年) | 40.1 |
| H29(2017年) | 39.9 |
| H30(2018年) | 40.0 |
| R1(2019年) | 40.2 |
| R2(2020年) | 39.4 |
| R3(2021年) | 39.9 |
看護師全体(役職者除く)の平均月収は、平成24年の39.2万円から令和元年の40.2万円まで緩やかに上昇し、長年にわたって安定した水準を維持しています。
サ高住の方が給与は少ない傾向にありますが、日勤中心の勤務体系や業務内容による差によるものと考えられます。
参考:厚生労働省|図表1-2-24 看護師の平均賃金(役職者除く)(月収換算)
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サ高住の給与を他の介護施設と比較するうえで、介護職の給料全体の相場を把握しておくことが重要です。職種・資格・地域別のデータをもとに平均給与を詳しく解説しています。サ高住での待遇がどのポジションにあるのか、客観的に判断するための参考にしてください。
6.看護師がサ高住で働くメリット・デメリット

働きやすさの反面、スキル維持の難しさや単独判断のプレッシャーもあります。転職を後悔しないために、メリットとデメリットの両面を把握しておきましょう。
メリット:身体的負担の軽減とゆとりあるケアの実践
サ高住で働く最大のメリットは、身体的な負担が比較的少ないことです。
重症患者の介助や慌ただしい急変対応が少なく、日勤のみの求人も多いため、生活リズムを整えやすくなります。
また、一人ひとりの入居者と長期間にわたって関わることができるため、コミュニケーションを大切にし、じっくりと寄り添うケアを実践できる点も大きな魅力です。
デメリット:医療行為の減少によるスキル維持の難しさと単独配置の判断
病院に比べて高度な医療行為を行う機会が減るため、最新の医療技術を学び続けたい、あるいは急性期でのスキルを維持したいと考える場合、物足りなさを感じる可能性があります。
また、シフトによっては看護師が自分一人になる時間帯もあり、急変時には医師が不在の中で、自分自身の判断で初期対応を行わなければならないというプレッシャーを感じる側面もあります。
7. サ高住での勤務が向いている看護師の特徴は?
サ高住での勤務は、すべての看護師に向いているわけではありません。自身の価値観やキャリアの方向性と照らし合わせて、適性を確認することが重要です。
入居者の生活に長く寄り添いたい人

短期間で患者が入れ替わる病院とは異なり、サ高住では同じ入居者と継続的に関わることができます。
「この人の変化に気づけるのは自分だ」という責任感ややりがいを大切にできる看護師に向いています。
人との深いつながりに喜びを感じ、寄り添うケアを実践したい方に適した職場です。
ワークライフバランスを重視し日勤中心で働きたい人

サ高住は夜勤が少なく、日勤中心のシフトが組まれることが多いため、生活リズムを整えやすい環境です。
夜勤による体調不良を感じている人や、育児・家庭との両立を図りたい人にとって、働きやすい環境と言えます。
残業が少なく、決まった時間に退勤しやすい傾向があるため、プライベートの時間をしっかりと確保したいと考える人に適しています。
落ち着いた環境でじっくり働きたい人

急性期病院のような慌ただしさや緊張感が続く環境が苦手で、穏やかなペースで丁寧なケアをしたいと考える人に向いています。
サ高住は比較的落ち着いた雰囲気の中で業務を行えるため、心に余裕を持って入居者と向き合えます。着実に仕事をこなすことに満足感を覚える方に適しています。
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サ高住は、比較的落ち着いた環境で働きたい方に向いている施設です。同様に「働きやすい職場」として人気があるデイサービスとの違いが気になる方もいるでしょう。勤務実態・給与・有給をデータで比較した記事で、自分に合う職場選びの参考にしてみてください。
在宅・地域医療に興味がある人

サ高住は「生活の場」であり、在宅医療や地域包括ケアと密接につながっています。
サ高住での勤務を通じて、以下のような連携スキルや実践的な知識が身につきます。
- ケアマネジャーとの連携スキル
- 在宅医との協働経験
- 地域包括ケアの実践的な理解
- 社会福祉士との連携
将来的に訪問看護や在宅ケアの分野へ進みたいと考えている人にとって、キャリアの足がかりとなる職場です。
8.職場探しのポイント

施設によって夜勤の有無・医療依存度・看護師の配置体制は大きく異なります。転職後のミスマッチを防ぐために、事前確認すべき項目を押さえておきましょう。
医療体制や夜勤・オンコールの有無を必ず確認

転職後のミスマッチを防ぐためには、応募前に各施設の体制を細かく確認することが不可欠です。以下の項目は、働き方に直結するため必ず確認しておきましょう。
- 一般型か介護型か(施設の種別で業務範囲が変わる)
- 看取り対応の有無(対応方針は施設によって異なる)
- 夜勤の有無・頻度(日勤のみか、月何回かを確認)
- オンコールの実働回数・呼び出し条件
労働条件通知書や求人票をしっかりと読み解き、疑問点があれば面接時に質問することが大切です。
看護師の配置人数・体制をチェック

施設の規模や入居者数に対して看護師が何人配置されているかは、働きやすさに直結します。
人員が少ないと一人あたりの負担が大きくなり、緊急時の対応も手薄になりがちです。体制が整っている施設では負担が分散され、急変時も複数で対応できるため、安心して業務に集中できます。
面接時に以下の項目を確認しておきましょう。
- 日勤・夜勤それぞれの配置人数
- 夜間対応の体制(オンコールの有無・頻度)
医療依存度の高い入居者の割合を把握

施設によって、医療的ケアが必要な入居者の割合は大きく異なります。
点滴・経管栄養・痰の吸引などの処置が多い施設では、看護師の専門性が求められます。
自分のスキルや経験に合った環境かどうかを見極めるため、事前に以下を確認することが大切です。
- 点滴・経管栄養・痰の吸引など処置の頻度と種類
- 入居者の状態・要介護度の分布
- 自分のスキル・経験に合った環境かどうか
■サ高住への転職は専門エージェントに相談しよう
夜勤の有無・医療依存度・看護師の配置体制など、サ高住選びには確認すべきポイントが多くあります。
一人で情報収集するのが難しいと感じた方は、転職エージェントの活用がおすすめです。
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9.サ高住で看護師として働くために知っておきたいこと
サ高住の看護師は、夜勤が少なく生活リズムを整えやすい一方、緊急時の単独判断など責任ある場面もあります。
向いているかどうかは働き方の価値観次第です。転職の際は夜勤の有無・看護師の配置体制・医療依存度などを事前に確認し、自分のスキルや希望に合った職場を見つけることが大切です。
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サ高住への転職を検討しているなら、転職エージェントの選び方も重要なポイントです。介護転職エージェント主要6社を比較し、失敗しない活用法や選び方のコツを解説しています。自分に合ったエージェントを選ぶことが、納得のいく転職への第一歩となります。







