50代から介護職への転職を考えているものの、年収や体力面の不安で一歩踏み出せない方は多いのではないでしょうか。
本記事では、厚生労働省のデータをもとに50代介護職の平均年収・手取りの実態を解説し、職場選びのポイントや資格取得による給与アップの道筋まで具体的にお伝えします。
- 50代介護職の平均年収・手取り額の目安
- 体力や人間関係の不安を解消する職場の選び方
- 資格取得で年収を上げるための具体的なステップ
1.介護職の50代の平均年収・手取りの目安

転職前に押さえておきたいのが給与の実態です。
厚生労働省のデータをもとに、50代介護職の平均年収・月収の相場と、実際に手元に残る手取り額の目安をわかりやすく解説します。
平均年収と月収の相場
厚生労働省によるデータでは、介護職員の性別ごとの平均月収は以下のとおりです。
介護職員の平均給与額(月給・常勤の者)
| 性別 | 平均月収 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 男性 | 361,960円 | 4,343,520円 |
| 女性 | 338,220円 | 4,058,640円 |
介護職員の平均給与額(時給・非常勤の者)
| 性別 | 平均月収 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 男性 | 143,380円 | 1,720,560円 |
| 女性 | 132,070円 | 1,584,840円 |
介護職員(50代)の平均年収は、常勤の場合、男性が約434万円、女性が約406万円となっています。
非常勤の場合は、男性が約172万円、女性が約158万円と大きく下がります。
常勤・非常勤ともに男性の方が女性より高い傾向にあり、雇用形態による収入差が大きいことが特徴です。
サービス種類別の平均年収と月収の相場
介護職員の平均給与額(月給・常勤の者)

サービス種類別の平均年収を見ると、男女ともに介護老人福祉施設が最も高く(男性約471万円・女性約445万円)、通所介護事業所が最も低い水準(男性約371万円・女性約352万円)となっています。
一方、訪問介護事業所や特定施設入居者生活介護事業所は比較的高い傾向にあり、勤務先の選択が収入に大きく影響することがわかります。
手元に残るリアルな手取り額の試算
給与から税金や社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険など)が引かれた金額が、実際に生活費として使える手取り額となります。
個人の状況によりますが、一般的な目安として手取り額は額面の75〜85%程度とされています。
先ほどの全体の平均給与で計算すると、以下が手取り額の目安となります。
| 性別 | 平均月収 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 男性 | 約27.1万円〜30.8万円 | 約325万円〜369万円 |
| 女性 | 約25.4万円〜28.7万円 | 約304万円〜345万円 |
50代の介護職員の手取り月収は、男性で約27.1万円〜30.8万円、女性で約25.4万円〜28.7万円が目安です。
年収ベースでは男性が約325万円〜369万円、女性が約304万円〜345万円となっています。
生活費や家族構成によって感じ方は異なりますが、キャリアアップや資格取得によって収入増加も期待できます。
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介護職の給料は、職種や勤務先の施設形態によっても大きく異なります。
50代の年収を把握したうえで、さらに職種ごとの給与相場や収入アップの具体的な方法を知っておくと、転職活動の軸を定めやすくなります。
介護福祉士・ケアマネジャーなど職種別の平均給与と手取りの実態を詳しく解説した記事もぜひ参考にしてください。
2.50代で感じる4つの不安とその現実

体力面や人間関係、未経験スタートへの不安は、多くの転職希望者に共通する悩みです。
介護現場の実情を知ることで、それらの不安が解消できるかどうか、一つひとつ確認していきましょう。
体力的な衰えに対する不安
「腰を痛めないか」「夜勤に耐えられるか」という体力面の不安は最もよく聞かれます。
しかし、現代の介護現場では「ボディメカニクス」と呼ばれる力学の原理を応用した技術が導入されており、介護者・利用者双方の身体的負担を最小限に抑える工夫がなされています。

また、夜勤のないデイサービスや、家事援助が中心となる職場を選ぶことで、体力的な負担を軽減することが十分に可能です。
人間関係や年下の上司に対する不安
「自分より一回り以上も若いスタッフとうまくやっていけるか」という不安も少なくありません。
介護業界は働くスタッフの年齢層が幅広く、平均年齢が50歳前後という職場も珍しくありません。

介護職員(施設等)は30〜49歳が中心層ですが、訪問介護員は50〜59歳が最も多く、全体的に高齢化が進んでいます。
特に訪問介護員の女性(82.6%)では50歳以上が60%超を占めており、将来的な人材不足が懸念されます。
そのため、50代からの転職者が職場に溶け込みやすい環境が整っており、年齢を重ねた経験や人生知識が介護の現場で大きな強みになります。
厚生労働省のデータでは、介護職員の年収は50代がピーク帯であり、訪問介護員では50〜59歳が最多層を占めています。
年収面でも人材構成の面でも、50代は介護業界の現役中心層といえる状況にあります。転職のタイミングとして、50代は決して遅くありません。
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介護職は職場の雰囲気や人間関係が離職に大きく影響します。
50代からの転職で長く働き続けるためには、職場選びの判断基準を事前に知っておくことが重要です。
離職率のデータをもとに、失敗しない職場の見極め方を解説した記事を参考にして、安心して働ける環境を見つけましょう。
未経験からのスタートに対する不安
「この年齢から新しいスキルを覚えられるか」と心配になる方もいます。
介護業界は未経験者の受け入れ態勢が整備されており、多くの施設で入社後の研修が充実しています。
「資格取得支援制度」を設けている企業も多く、働きながら段階的に専門知識を身につけていくことが可能です。
収入ダウンに対する不安
年齢を重ねるにつれて収入が変化することは、多くの介護職員にとって気になるテーマではないでしょうか。
実際のデータを見ると、年齢別の年収には明確な傾向があることがわかります。

介護職員の年収は50代女性で406万円、50代男性で434万円がピークとなります。その後は年齢とともに低下し、60歳以上では370万円前後まで下がります。
異業種からの転職では一時的な給与ダウンが生じる場合もありますが、介護職は60代以降も長く働き続けやすい職種です。
生涯賃金の安定性という視点で捉えると、長期的なライフプランに適した選択肢といえます。
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3.50代だからこそ活かせる強みとアピールポイント

50代は介護職において「即戦力」になれる強みを持っています。
これまでの人生経験や家事スキルが、現場でどのように評価されるのかを具体的に見ていきましょう。
豊富な人生経験と高いコミュニケーション能力
介護の現場では、利用者との信頼関係構築がケアの基盤となります。
50代の豊富な人生経験や、様々な人との関わりの中で培われたコミュニケーション能力は、利用者との円滑な関係づくりにおいて高く評価されます。
同世代の話題を共有し、利用者の気持ちに深く寄り添うことができるのは、50代特有の強みといえます。
長年培ってきた家事スキル
料理、掃除、洗濯といった日常的な家事スキルは、生活援助を中心とする介護現場、特にグループホームや訪問介護において直接的に活かすことができます。
長年の生活で身につけた段取りの良さや細やかな気配りは、利用者の快適な生活を支える上で非常に役立つ能力として評価されます。
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50代の強みを活かした転職を成功させるには、志望動機の書き方も大切なポイントです。
未経験から介護職を目指す方でも採用担当者に響く志望動機の作り方を、具体的な例文とともに解説しています。
転職活動を始める前にぜひ一読しておくことで、書類選考の通過率アップが期待できます。
4.施設形態別|体力・ライフスタイルで選ぶ職場比較

介護施設は形態によって働き方が大きく異なります。
自身の体力や生活スタイルに合った職場を選ぶことが、長く無理なく働き続けるための重要なポイントになります。
デイサービス(通所介護)
デイサービスでは、利用者の送迎から始まり、食事や入浴の介助、レクリエーションの企画・運営まで幅広い業務を担います。
こんな方におすすめ
- ワークライフバランスを重視したい方
- 企画や進行が得意な方
勤務は日中のみが基本で夜勤がないため、生活リズムを整えやすい環境です。
身体的な負担も比較的少なく、介護職への入門として選ばれやすい施設形態のひとつといえます。
グループホーム
グループホームでは、認知症の利用者と共に料理や掃除などの家事を行いながら、日常生活を支える介護を提供します。
こんな方におすすめ
- 家事スキルを活かしたい方
- 一人ひとりと深く関わりたい方
少人数ユニット制で夜勤があるため、シフトへの対応が必要です。
身体介護よりも生活支援が中心となるため、体力的な負担は中程度ですが、夜間対応への心構えも求められます。
訪問介護
訪問介護では、利用者の自宅を訪問し、1対1で身体介護や生活援助を提供します。
こんな方におすすめ
- 自分のペースで働きたい方
- 1対1でじっくりケアに向き合いたい方
直行直帰が多くスケジュールの柔軟性が高い一方、移動を伴うため一定の体力が必要です。
利用者とじっくり向き合える環境である反面、孤立した現場での判断力や自己管理能力も求められる働き方です。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームでは、要介護度の高い利用者への食事・入浴・排泄などの身体介護が業務の中心となります。
こんな方におすすめ
- 集中的に介護スキルを高めたい方
- 高い給与水準を目指す方
24時間シフト制で夜勤もあり、体力的な負担は施設の中でも大きい部類に入ります。
その分、介護スキルを体系的に身につけられる環境が整っており、専門性を高めたい方に適した職場です。
なお、施設形態の違いによる年収差(最大約100万円)は、介護福祉士取得による手当増(年約12万円)を大きく上回る場合があります。資格取得と並行して、勤務先の施設形態を見直すことも、収入向上への有効な手段のひとつです。
▼いっしょに読みたい記事
施設形態による働き方の違いを知ったうえで、介護職のリアルな実態もあわせて確認しておきましょう。
「きつい」と言われる理由や離職率のデータ、施設別の働きやすさの比較など、現場の実情をデータで解説した記事です。
職場選びで後悔しないために、転職前に必ず目を通しておきたい内容です。
5.資格取得ロードマップと具体的な給与アップ額

介護業界はキャリアパスが明確で、資格が収入に直結する仕組みが整っています。
初任者研修から介護福祉士まで、段階的なステップと具体的な給与アップ額を確認していきましょう。
介護職員初任者研修からスタート
介護職としてのキャリアの第一歩となるのが「介護職員初任者研修」です。
| 資格の種類 | 手当の相場 |
|---|---|
| 初任者研修 | 数千円 〜 1万円未満 ※手当なしが約半数 |
この資格を取得することで、身体介護を行うための基本的な知識と技術を身につけることができます。
また、無資格の場合生活支援のみ行うことが可能ですが、資格取得後は介護施設や訪問介護事業所でホームヘルパーとして働けるようになります。
数千円程度の資格手当が支給されるケースが多くありますが、約半数が手当なしなため、面接時などに事前に確認しましょう。
参考:レバウェル株式会社|レバウェル介護|【介護職の資格手当一覧表】相場はいくら?給料アップに繋げる方法を解説!
国家資格「介護福祉士」による手当と給与増
実務経験を3年以上積み、実務者研修を修了することで、国家資格である「介護福祉士」の受験資格が得られます。
| 取得率 | 平均額 |
|---|---|
| 62.9% | 月9,055円 |
介護福祉士を取得すると、無資格者と比較して月収で約1万円、年収で約12万円の収入向上が見込めます。
さらに、チームリーダーなどの役職への道も開かれ、責任のある業務を担うことでさらなる給与アップが可能になります。
参考:厚生労働省|社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の「就労状況調査」(速報版)について
処遇改善加算を取得している施設を選ぶ重要性
職場選びの重要な基準として、「介護職員等処遇改善加算」を適切に取得している施設を選ぶことが挙げられます。
これは、介護職員の賃金改善を目的とした国の制度であり、加算を取得している事業所では、職員に対して手当やボーナスという形で給与として還元される場合があります。
求人情報を見る際は、この加算の取得状況を必ず確認することが推奨されます。

介護職員等処遇改善加算は、事業所内で柔軟に配分することが可能なため、どの程度給与に反映されているか確認しましょう。
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6.介護職の50代の年収に関するよくある質問

50代の介護職への転職にあたって、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。
転職を検討する前に、よくある疑問をここで解消しておきましょう。
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50代介護職員の平均年収はどのくらいですか?
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50代介護職員の平均年収は、男性で約434万円、女性で約406万円が目安です。
手取りベースでは男性が約325万円〜369万円、女性が約304万円〜345万円となります。
勤務先の施設形態によっても異なり、介護老人福祉施設が最も高い水準となっています。
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50代になると年収は下がってしまいますか?
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データによると、介護職員の年収は40〜49歳にかけてピークを迎え、その後は緩やかに低下する傾向があります。
男性は40代の453万円が最高値で、60歳以上では370万円前後まで下がります。
ただし、資格取得や役職への就任によって収入を維持・向上させることも可能です。
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資格を取ると年収はどのくらい上がりますか?
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介護福祉士を取得すると、無資格者と比較して月収で約1万円、年収で約12万円の収入向上が見込めます。
さらにチームリーダーなどの役職に就くことで、追加の給与アップも期待できます。
まずは介護職員初任者研修の取得からキャリアをスタートするのがおすすめです。
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施設の種類によって年収は変わりますか?
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はい、大きく異なります。
介護老人福祉施設(特養)が男性約471万円・女性約445万円と最も高く、通所介護(デイサービス)が男性約371万円・女性約352万円と最も低い水準です。
また、処遇改善加算を取得している施設を選ぶことで、手当やボーナスとして給与に反映される場合があります。
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パートや非常勤で働く場合、年収はどのくらいですか?
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非常勤の場合、平均月収は男性が約14.3万円、女性が約13.2万円で、年収換算では男性が約172万円、女性が約158万円が目安です。
常勤と比べ収入は大きく下がるため、勤務日数や時間帯の工夫が大切です。
▼いっしょに読みたい記事
介護福祉士の資格を取得することで、年収アップやキャリアの幅が大きく広がります。
50代から資格取得を目指す場合の具体的なルートや公的支援制度、実務者研修の受け方まで、働きながら無理なく合格を目指すための情報を詳しくまとめています。
資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。
7.介護職の50代年収のまとめ|未経験からでも資格でキャリアアップできる
介護職の50代年収は男性約434万円・女性約406万円が目安ですが、施設形態や資格取得によって大きく変わります。
体力面の不安は職場選びで軽減でき、50代の経験やコミュニケーション力が現場で強みとして活きる場面は多くあります。
まずは初任者研修の取得からスタートし、介護福祉士を目指すことで年収アップも十分に狙えます。








