介護福祉士は中卒でも取得可能な学歴・年齢を一切問わない国家資格です。
本記事では受験資格・取得ステップ・試験の合格基準・気になる収入アップの実態まで、中卒から介護福祉士になるために知っておくべき情報を解説します。
- 中卒でも介護福祉士になれる理由と「実務経験ルート」の条件
- 無資格から最短で国家試験合格を目指す具体的なステップ
- 資格取得後の収入アップ額と将来のキャリアパス
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そもそも介護福祉士とはどんな資格なのか、改めて全体像を確認しておきたい方も多いのではないでしょうか。
介護福祉士は介護分野で唯一の国家資格であり、仕事内容や年収相場、取得ルートを把握しておくことで、その後のキャリア戦略も立てやすくなります。
図解で分かりやすくまとめた記事を以下にご紹介します。本記事と合わせてご覧ください。
1.介護福祉士は中卒からでもなれる!受験が可能な理由

介護福祉士国家試験の最大の特徴は、受験資格に学歴や年齢の制限が一切ないことです 。
大学や専門学校を卒業していなくても、所定の「実務経験」と「研修の修了」さえ満たせば、誰にでも平等に受験のチャンスが与えられます。
最終学歴に不安を抱えている方にとって、介護福祉士は学歴のハンデを乗り越えて挑戦できる、数少ない国家資格のひとつといえるでしょう。
2.実務経験ルート|働きながら目指す中卒の方に最適な理由

中卒から介護福祉士を目指すなら、現場経験を積みながら受験資格を得られる「実務経験ルート」が最有力。
必要な従業期間や日数、修了が必須となる研修など、このルートの具体的な条件と魅力を詳しく見ていきましょう。
介護福祉士 国家試験 受験資格ルート
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社会福祉士養成施設等
保育士養成施設等
+喀痰吸引等研修
実務経験 9ヶ月以上が必要
※入学年度・研修の修了状況により受験資格の要件が異なります。

他のルート(養成施設ルート・福祉系高校ルート)は高校を経由するルートとなります。
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実務経験ルートで重要なのが「実務経験3年・従事日数540日」という要件の正確な計算方法です。
アルバイトや派遣でもカウントできるのか、複数施設の経験を通算できるのかなど、細かい部分でつまづく方も少なくありません。
第38回試験からのパート合格制度を含めた最新の受験資格ルールを詳しく解説した記事を以下にご紹介します。
実務経験ルートに必要な「3年の実務経験」と「実務者研修」
実務経験ルートは、学歴を問わず3年以上の介護現場経験と実務者研修の修了で受験資格が得られるため、中卒の方でも働きながら確実に国家資格を目指せる道です。
※ 従業期間と従事日数の両方を満たす必要があります。従業期間が3年あっても従事日数が540日未満の場合は要件を満たしません。
※ 現在の主流は「実務者研修ルート」で、ほとんどの受験者がこのルートで国家試験に挑戦しています。
給与を得ながらスキルを積み、キャリアアップにつなげられる点が大きな魅力で、最終学歴に不安がある方にとって最も現実的かつ堅実な選択肢といえるでしょう。

高齢者分野では、特定の施設の介護職員や介護従事者、訪問介護員などが対象となります。
詳細は実務経験の範囲よりご確認ください。
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|[介護福祉士国家試験]受験資格
無資格・未経験からスタートする際のスモールステップ
いきなり国家試験を目指すのは不安かもしれません。まずは介護助手として食事の配膳や清掃など、身体に触れない補助業務からスタートする道もあります。
現場の雰囲気に慣れながら、少しずつステップアップしていくことが、長期的なキャリア形成においては非常に有効です 。
費用負担を軽くする「助成金・貸付制度」を活用しよう
実務者研修の受講費用が不安な場合、国や自治体などの助成金や貸付制度を利用するのも一つの方法です。
ハローワークから支給される「教育訓練給付金」や自治体が実施する「受講手数料の助成制度(自治体により有無あり)」などが利用できる場合があります。

教育訓練給付金は介護福祉士(実務者研修を含む)場合、最大80%~20%のいずれかの給付金対象となります。
受給対象かは、管轄のハローワークよりご確認ください。
■中卒から介護福祉士を目指せる「資格取得支援のある職場」をお探しの方へ
実務経験ルートで介護福祉士を目指すなら、3年間しっかり働ける環境と、実務者研修の費用補助やシフト調整など資格取得をバックアップしてくれる職場選びが何より重要です。
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3.介護福祉士を中卒で目指す具体的なステップ

無資格・未経験の状態から介護福祉士になるまでには、明確な道筋があります。
就職から研修受講、国家試験合格、登録までの全5ステップを順を追って解説。最短ルートで合格を勝ち取るための具体的な流れがわかります。
ステップ1:未経験歓迎の施設に就職
まずは介護施設へ就職しましょう。多くの施設では無資格からの採用も行っています。
入職後に働きながら資格取得を目指す「資格取得支援制度」を設けている職場を選ぶと、費用を抑えてステップアップが可能です 。
介護職員初任者研修とは?
介護の基礎知識と技術を体系的に学べる入門資格で、旧ホームヘルパー2級に相当します。
受講資格に学歴や年齢の制限はなく、誰でも挑戦可能。約130時間のカリキュラムを修了することで取得でき、訪問介護で身体介護を行うために必須となる資格です。
資格取得後は、介護職員や訪問介護職員として身体介護(食事介助・入浴・移乗介助・更衣介助など)が可能となります。

無資格者でも、入職後1年以内に認知症基礎研修の修了が必須です。
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介護職員初任者研修は中卒・無資格・未経験の方が最初に取得する入門資格として最適です。
約130時間のカリキュラム内容や費用相場、受講できるスクール選びのポイント、活用できる助成金制度まで、これから取得を検討している方が知っておきたい情報を網羅した記事を以下にご紹介します。
ステップ2:現場での実務経験を積み、基礎を体得
初任者研修を修了したら、介護施設や訪問介護事業所などに就職し、現場で実務経験を積みます。
実際の介護業務を通じて、利用者一人ひとりに合わせたケアの方法や、チームで動く介護現場の流れを体得していきましょう。
3年以上かつ540日以上の従事が国家試験の受験要件となるため、長く働ける職場選びが重要です。
日々の業務を学びの機会と捉え、基礎をしっかり固めることが合格への近道となります。
ステップ3:「介護福祉士実務者研修」を修了
実務経験3年目を迎える頃までに「実務者研修」を受講します。これは初任者研修よりも高度な知識・技術を学ぶもので、介護福祉士国家試験を受験するための必須条件です。
CURRICULUM & EXEMPTION GUIDE
介護福祉士実務者研修
カリキュラム&免除科目 早わかり
■ 保有資格別 受講時間数の目安
フル受講
修了者
■ 全20科目 一覧|保有資格別の免除早見表
| 科目名 | 実務者研修 時間数 |
介護職員 初任者研修 |
その他 全国研修 |
|---|---|---|---|
| 免除になる可能性がある科目 | |||
| 人間の尊厳と自立 | 5時間 | 免除 | — |
| 社会の理解Ⅰ | 5時間 | 免除 | — |
| 社会の理解Ⅱ | 30時間 | — | — |
| 介護の基本Ⅰ | 10時間 | 免除 | — |
| 介護の基本Ⅱ | 20時間 | — | — |
| コミュニケーション技術 | 20時間 | — | — |
| 生活支援技術Ⅰ | 20時間 | 免除 | — |
| 生活支援技術Ⅱ | 30時間 | 免除 | — |
| 介護過程Ⅰ | 20時間 | 免除 | — |
| 介護過程Ⅱ | 25時間 | — | — |
| 介護過程Ⅲ(スクーリング) | 45時間 | — | — |
| 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 | — | — |
| 発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | — | — |
| 認知症の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | 認知症実 践者研修 |
| 認知症の理解Ⅱ | 20時間 | — | 認知症実 践者研修 |
| 障害の理解Ⅰ | 10時間 | 免除 | — |
| 障害の理解Ⅱ | 20時間 | — | — |
| こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | 免除 | — |
| こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | — | — |
| 免除なしの科目(全研修で受講必須) | |||
| 医療的ケア ※ | 50時間 | — | 喀痰吸引 等研修 |
※「医療的ケア」は講義50時間のほか、演習を別途修了する必要があります。
※ 既修了の研修により受講免除になる科目があります(初任者研修 修了者等)。免除の可否や時間数は養成施設によって異なる場合があります。
450時間のカリキュラムがありますが、初任者研修を修了していれば一部科目が免除されます。
参考:厚生労働省|実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について
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実務者研修は450時間というボリュームのため、「働きながら本当に修了できるのか」と不安に感じる方も多いはずです。
実は通信学習とスクーリングを組み合わせることで、仕事と両立しながら6か月程度で取得可能です。
具体的なスケジュール例、費用相場、教育訓練給付金の活用法、スクール選びのポイントまで詳しく解説した記事を以下にご紹介します。
ステップ4:試験対策を行い、受験・合格を目指す
従業期間・従事日数は試験実施年度の3月31日まで通算し、受験資格に達する年度に受験することが可能になります。
125点満点のうち
総得点の60%程度
※ 問題の難易度により毎年補正されます
配点は1問1点・125点満点。目安として75点前後が合格ラインとなります。
下記11試験科目群すべてで1点以上の得点が必要です。1科目でも0点があると不合格となります。
①と②の両方を満たすことで合格
※ 合格基準点は試験の難易度により毎年補正されるため、年度によって変動します。
※ 苦手科目を作らず、全11科目群でバランスよく得点することが合格への鍵となります。
介護福祉士国家試験の合格基準は、総得点の60%程度(難易度補正あり)以上、かつ11試験科目群すべてで得点があることが原則です。
しかし、第38回からは新たに「パート合格(パート合格の受験免除)」が導入され、総得点で不合格でも、A・B・Cの各パートで按分基準点以上を取り、パート内の全科目群で得点があれば、そのパートのみ翌年、翌々年まで試験で免除される仕組みとなりました。
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|受験資格:実務経験+実務者研修/出題基準・合格基準/パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!
ステップ5:登録手続きを行い、介護福祉士として歩み始める
国家試験に合格したら、登録申請書を公益財団法人社会福祉振興・試験センターに提出し、介護福祉士登録簿への登録手続きを行います。
介護福祉士 登録申請の流れ
新規登録に必要なステップと書類をまとめました
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登録資格と欠格事由の確認
国家試験合格者または養成施設卒業者であり、法令上の欠格事由に該当しないことを確認します。
必要書類を簡易書留で提出
登録申請書・収入印紙・払込証明書などを揃え、試験センターへ郵送します。
試験センターで受理・審査
書類審査の後、登録簿に登録されます。
登録証の交付約1か月半
レターパックプラスで発送されます。不在時は不在配達通知書で保管期間内に受け取ってください。
登録免許税分の収入印紙を郵便局等で購入し、申請書に貼付します。
登録手数料を払い込み、証明書(お客さま用)の原本を貼付用紙に貼り付けます。
※登録申請書へのマイナンバー記入は任意です。マイナンバーカード両面コピー、または通知カード両面コピー(氏名変更時は住民票)のいずれか1通を同じく貼付してください。
日本国籍の方:戸籍の個人事項証明書/戸籍抄本/本籍記載の住民票(いずれも原本)
外国籍等の方:国籍等を記載した住民票の原本(中長期在留者・特別永住者)/パスポート等のコピー(短期滞在者)
介護福祉士の追加書類が必要なケース
喀痰吸引等行為を申請する場合/養成施設卒業の場合/令和6年度(第37回)以降、受験資格区分5・6・7で合格した場合は、上記1~3に加えて追加書類の提出が必要です。
登録が完了すると登録証が交付され、晴れて介護福祉士として名乗ることが可能になります。
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター|[資格登録]新規登録の申請手続き
4.資格取得でどう変わる?収入・待遇と将来のキャリアパス

介護福祉士の資格を取得すると、月給や年収はどう変わるのでしょうか。
資格手当や処遇改善加算によるリアルな給与アップの実態と、ケアマネジャーや管理者へとつながるその先のキャリアパスについて紹介します。
給与アップの現実|資格手当と処遇改善加算の効果
介護福祉士を取得すると平均月給は350,050円となり、無資格者と比べて月約59,000円、年収換算で約71万円もアップします。
実務者研修や初任者研修よりも高水準で、全体平均338,200円も上回る金額です。
さらに、国が進めている「介護職員処遇改善加算」により、介護福祉士などの経験・技能のある介護職員の配置に手厚い給与改善の対象となる仕組みが整っています 。
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介護福祉士の給与水準をさらに詳しく知りたい方は、施設形態別や年代別の年収データもチェックしておきたいところです。
同じ介護福祉士でも、特養・老健・有料老人ホームなど職場によって給与水準は大きく異なります。
手取り額の実態や処遇改善加算の活用法、収入アップにつながる具体的な戦略まで詳しく解説した記事を以下にご紹介します。
介護福祉士の先にある「ケアマネジャー」や「管理者」への道
介護福祉士はゴールではなく、さらなるキャリアのスタート地点です。
資格取得後さらに5年以上の実務経験を積めば、ケアプランを作成する「ケアマネジャー(介護支援専門員)」を目指すことができます。
「国家資格等に基づく業務」または「相談援助業務」のいずれか、もしくは両方の期間を通算して上記条件を満たす必要があります。
また、現場のリーダーから施設長などの「管理者」へ昇進する道も開かれており、年収500万円以上を目指すことも現実的な目標となります。
参考:参考:公益社団法人東京都福祉保健財団|令和8年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験
5.介護福祉士を中卒で目指す際によくある質問

中卒から介護福祉士を目指すにあたって、多くの方が抱える疑問や不安があります。
受験資格・働きながらの両立・取得期間・試験の難易度など、よく寄せられる質問にQ&A形式でわかりやすくお答えしていきます。
-
中卒でも本当に介護福祉士になれますか?
-
はい、なれます。介護福祉士の国家試験は学歴を問わない資格で、中卒の方でも受験・取得が可能です。
最も一般的な「実務経験ルート」では、3年以上(従事日数540日以上)の実務経験と実務者研修の修了があれば受験資格を得られます。
-
働きながら資格取得を目指すことは可能ですか?
-
十分可能です。むしろ実務経験ルートは「働きながら目指す」ことが前提の制度です。
実務者研修も通信講座と数日のスクーリングを組み合わせた形式が主流で、仕事と両立しやすい設計になっています。
-
介護福祉士の資格取得には何年くらいかかりますか?
-
無資格・未経験から始めた場合、最短で約3年3か月〜4年が目安です。
具体的には、初任者研修(約1〜4か月)→実務経験3年以上→実務者研修(約6か月)→国家試験合格、という流れになります。
試験は年1回(1月)実施されるため、受験タイミングによって多少前後します。
-
国家試験は難しいですか?中卒でも合格できますか?
-
近年の合格率は例年70〜80%台で推移しており、しっかり対策すれば中卒の方でも十分合格可能です。
6.介護福祉士は中卒からでも目指せる国家資格
介護福祉士は学歴を問わない国家資格で、中卒の方でも実務経験ルートを通じて取得可能です。
初任者研修からスタートし、3年の現場経験と実務者研修を経て国家試験に合格すれば、月給350,050円という安定した収入と、ケアマネジャーや管理者へのキャリアアップも目指せます。
「学歴に自信がない」と諦める必要はありません。介護現場での実務経験を積み、段階的に研修を修了していくことで、学歴に関わらず国家資格の取得が可能です。
■学歴に関係なく、あなたに合った介護の職場を一緒に見つけませんか?
「中卒だから不安」「経験がないけど挑戦してみたい」――そんな悩みを抱えながら、最初の一歩をどう踏み出すか迷っている方も多いのではないでしょうか。
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