社会福祉士の平均年収は約403万円ですが、職場選びや進むルートによっては年収600万円を実現することも可能です。
本記事では厚生労働省などの公式データをもとに、年収の実態と600万円到達への具体的ルートを解説します。
- 社会福祉士の平均年収(男女・年齢・地域・施設別)
- 600万円を目指せる職場やルート
- 管理職昇進・ダブルライセンス・副業などの年収アップの戦略ルート
1.社会福祉士の平均給与

社会福祉士の年収は「どこで働くか」によって大きく変わります。
男女別・年齢別・地域別・施設別のデータを整理し、自分の現在地と伸びしろを正確に把握しましょう。
社会福祉士の男女別平均年収と全産業平均の比較

社会福祉士として働く男女の平均年収と、日本の全産業における平均年収を比較し、職種による収入の特徴や男女間の給与格差について解説します。
1. 【男女別】社会福祉士と全産業平均の年収比較
社会福祉士の年収は、性別によって全産業平均との間に異なる傾向が見られます。男性の場合は全産業平均を下回る一方、女性の場合は平均を上回るという特徴があります。
💡 男女別・4者の平均年収一覧
| 比較対象の区分 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 |
| 社会福祉士 | 473万円 | 365万円 |
| 全産業平均 | 587万円 | 333万円 |
2. 男女間の年収格差・差額の比較
日本の労働環境全体と比較すると、社会福祉士の世界は「男女間の給与格差が比較的少ない」という良好なデータが出ています。
💡 男性と女性の平均年収差(格差の比較)
| 職種・産業区分 | 男女の年収格差(男性 − 女性) | 給与格差の特徴と傾向 |
| 社会福祉士 | 108万円 | 全産業平均に比べ、男女間の収入差が146万円も少ない。 |
| 全産業平均 | 254万円 | 性別による収入の開きが大きく、格差が顕著。 |
統計データから見える社会福祉士の待遇・メリット
全産業における男女の年収差は254万円と非常に大きい一方、社会福祉士の男女差は108万円にとどまっており、性別による不合理な格差が生まれにくい職種であることがわかります。
特筆すべきは女性の待遇です。女性の社会福祉士の平均年収(365万円)は、全産業の女性平均(333万円)を32万円上回っています。
福祉業界は専門資格に基づいたキャリアアップや役職登用が性別を問わず行われやすいため、社会福祉士は女性にとって待遇・収入面で非常に有利な資格(職種)といえます。
参考:厚生労働省|社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の「就労状況調査」(速報版)について/国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査
属性別データ|年齢・地域・分野で年収はこれだけ変わる
単一の平均値は実態を正確に反映しません。自分の属性に合ったデータで現在地を把握し、到達目標を設定しましょう。
年齢別の推定年収

社会福祉士の平均年収は全体で403万円(男性473万円・女性365万円)です。年齢別に見ると、男女ともに50代で年収がピークを迎え、男性564万円・女性421万円となります。
20代は男性332万円・女性320万円とほぼ同水準ですが、30代以降は男女差が広がる傾向にあります。
30代では男性426万円・女性347万円、40代では男性501万円・女性380万円と、キャリアを積むにつれて着実に収入が上がっていきます。
60代以降は男性418万円・女性321万円とやや下がるものの、長期にわたって安定した収入水準を維持できる職種といえます。
社会福祉士の年収は男女ともに50代でピークを迎え、男性564万円・女性421万円となります。
20代では男性332万円・女性320万円と差はわずか12万円ですが、年齢とともに格差が拡大し、50代では約143万円の差が生じます。
参考:厚生労働省|社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の「就労状況調査」(速報版)について
サービス種類別の平均年収

社会福祉士の平均月給はサービス種類によって大きく異なり、最も高い訪問介護事業所(421,190円)と最も低い小規模多機能型居宅介護(354,470円)の差は約66,720円にのぼります。
年収換算では約80万円の差となるため、勤務先のサービス種類が収入に直結する職種といえます。
全体平均(397,620円)を上回るのは訪問介護事業所と介護老人福祉施設(400,490円)のみです。特定施設入居者生活介護(389,280円)・通所介護事業所(388,880円)・介護老人保健施設(386,950円)は平均をやや下回り、通所リハビリテーション(356,520円)・小規模多機能型居宅介護(354,470円)は平均を大きく下回る水準となっています。
収入を重視する場合は、訪問介護事業所や介護老人福祉施設への就職・転職を検討するとよいでしょう。
▼いっしょに読みたい記事
勤務先のサービス種類が年収を大きく左右することがわかりました。では、介護職全体ではどの職種がどれだけ稼げるのでしょうか?
職種ごとの仕事内容・資格・給与・キャリアパスを一覧で比較した記事なら、自分に合う働き方と収入水準を同時に確認できます。
地域別の年収水準

社会福祉士の年収は勤務地によって大きく異なり、最も高い関東(356万円)と最も低い九州・沖縄(301万円)の差は約55万円にのぼります。
地域別に見ると、関東・東海(339万円)・関西(333万円)の三大都市圏が上位を占め、甲信越・北陸(325万円)、四国(306万円)、北海道・東北(304万円)、中国(304万円)、九州・沖縄(301万円)と、地方圏になるほど年収が低くなる傾向があります。
生活コストとのバランスも考慮する必要はありますが、勤務地の選択が収入に直結する点は念頭に置いておくとよいでしょう。
▼いっしょに読みたい記事
社会福祉士の年収を正しく把握するには、まず「社会福祉士とはどんな資格か」を理解しておくことが重要です。
仕事内容・合格率・将来性まで、資格の基本情報を整理した記事を先に読んでおくと、年収データの背景がより深く理解できます。
キャリア設計の出発点として、ぜひ参考にしてください。
2.社会福祉士の給与が低いとされる理由は?

社会福祉士の給料が低いとされる主な理由は、財源の構造にあります。
介護・福祉サービスの報酬は国が定める介護報酬に依存するため、民間企業のように利益に応じた賃上げが難しい構造です。
介護報酬とは?
事業者が利用者(要介護者又は要支援者)に介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬
また、資格取得のハードルに対して資格手当が低い法人も多く、経験年数を重ねても昇給幅が小さいケースが少なくありません。
3.社会福祉士で年収600万円以上が狙える具体的な職場は?

年収600万円を狙える職場として、保護観察所・地方更生保護委員会(平均638万円)と児童相談所(平均532万円)が挙げられます。
| 施設・事業所 | 年収(目安) |
|---|---|
| 保護観察所・地方更生保護委員会 | 638万円 |
| 児童相談所 | 532万円 |
保護観察所・地方更生保護委員会では、出所者や保護観察中の対象者に対し、生活支援・就労支援・福祉サービスへのつなぎを行う保護観察官として活躍します。
児童相談所では、児童福祉司として虐待・養育困難・非行など複雑な家庭問題に対応します。
子どもと保護者の双方に寄り添いながら、一時保護の判断・施設入所の調整・支援計画の立案などを担います。
参考:人事院|令和7年国家公務員給与等実態調査報告書/神戸医療福祉専門学校|社会福祉士が勝ち組といわれる理由は?給料・年収が高い職場もあわせて紹介
▼いっしょに読みたい記事
保護観察所や児童相談所など高年収の職場に転職するには、受験資格を正確に把握し、最短ルートで資格取得を進めることが重要です。
社会福祉士には12通りの受験資格ルートがあり、学歴・職歴によって最適な道が異なります。自分に合ったルートと給付金制度を確認して、キャリアアップへの第一歩を踏み出しましょう。
4.年収600万円を達成する戦略ルート

平均400万円台から抜け出すには、明確な戦略が必要です。
管理職昇進・ダブルライセンス・副業など、自分のライフスタイルに合ったルートを選ぶことが収入アップの第一歩です。
管理職昇進ルート
社会福祉士として経験を積み、主任・副主任を経て施設長や管理者ポストを目指す王道ルートです。
管理者の平均給与

介護施設長の平均年収は527万円(月給383,228円+賞与852,258円)です。性別構成比は女性が51.6%と男性の44.3%を上回っており、介護分野の施設長は女性が多数を占めています。
施設種別や法人規模によって差はありますが、管理職として一定の待遇水準が確保されています。
参考:公益財団法人介護労働安定センター|事業所における介護労働実態調査 結果報告書
サービス種類別の管理者の平均給与

介護施設の管理者平均年収は、勤務先のサービス種類によって大きく異なります。
一般介護施設では介護老人福祉施設(月額455,608円/年収546万円)が最高で、地域密着型通所介護(月額285,511円/年収342万円)が最低と、同じ管理者職でも約200万円の差が生じます。
主なサービス種類別の推計年収は以下のとおりです。
- 介護老人福祉施設:546万円
- 特定施設入居者生活介護:503万円
- 地域密着型介護老人福祉施設:480万円
- 訪問看護:470万円
- 地域密着型特定施設入居者生活介護:434万円
- 看護小規模多機能型居宅介護:416万円
- 短期入所生活介護:413万円
- 定期巡回・随時対応型:411万円
- 通所介護:403万円
- 訪問介護:398万円
- 訪問入浴介護:395万円
- 認知症対応型共同生活介護:383万円
- 小規模多機能型居宅介護:380万円
- 認知症対応型通所介護:376万円
- 居宅介護支援:372万円
- 地域密着型通所介護:342万円
医療系施設は医師などが含まれるため水準が大きく異なり、介護療養型医療施設で1,502万円、介護老人保健施設で1,196万円、通所リハビリテーションで1,071万円となっています。

医療系の管理者は施設の種類によりますが、医師や医療関係者が選任されるのが原則です。
なお、一般職で高年収のサービス種別(訪問介護・介護老人福祉施設)は、管理職においても高年収を維持する傾向があります。管理職を視野に入れる場合、スタッフとして就職する段階からサービス種別を意識しておくことが、長期的な収入戦略として有効です。
参考:公益財団法人介護労働安定センター|事業所における介護労働実態調査 結果報告書
ダブルライセンスルート
社会福祉士に加えて精神保健福祉士・介護支援専門員(ケアマネ)・公認心理師などの資格を取得するダブルライセンス戦略は、専門性の幅を広げ単価アップに直結します。
特に精神保健福祉士との組み合わせは医療・司法・産業分野への転職を可能にし、年収600万円超の求人へのアクセスが大きく広がります。
▼いっしょに読みたい記事
社会福祉士×精神保健福祉士のダブルライセンスは、年収600万円超を狙ううえで特に効果的な組み合わせです。
2つの資格の違い・仕事内容・年収・難易度を徹底比較した記事では、どちらを先に取得すべきかも含めて解説しています。ダブルライセンス戦略を検討している方はぜひ参考にしてください。
副業・複業ルート
社会福祉士の副業は可能ですが、まずは職場の就業規則の確認が必須です。
副業として、相談スキルを活かせる「オンラインカウンセラー」や「非常勤ソーシャルワーカー」、専門知識が役立つ「Webライター」や「成年後見人」などの選択肢があります。
収入増やスキルアップ、本業との相乗効果が期待できますが、守秘義務の徹底や本業に支障のない体調管理、年間20万円以上の確定申告には十分注意しましょう。
5.社会福祉士の年収に関するよくある質問

年収や給与についての疑問をQ&A形式でまとめました。
「本当に600万円は現実的か」「経験年数で自然に上がるのか」など、よくある疑問にデータをもとにお答えします。
-
社会福祉士の平均年収はいくらですか?
-
社会福祉士の平均年収は男性で473万円、女性で365万円です。
勤務先の種別や地域、経験年数によって差があります。
-
社会福祉士だけで年収600万円は現実的ですか?
-
資格単体では難しいケースが多いですが、管理職への昇進・ダブルライセンス取得・高水準の職場への転職・副業の組み合わせによって、十分に現実的な目標です。
-
経験年数が上がれば年収は自然と増えますか?
-
年功序列が残る法人では経験とともに上がりやすい一方、介護・福祉系の事業所では昇給幅が小さいケースも多いです。
意図的なキャリアアップ・転職戦略が収入増の近道です。
-
AIに仕事を奪われませんか?
-
社会福祉士の仕事の核心は、複雑な家庭環境・生活困窮・障害・虐待といった問題を抱えた人と「人として向き合うこと」です。
傾聴・共感・信頼関係の構築、そして多機関との調整や倫理的判断は、AIが苦手とする領域です。
高齢化・孤立・ヤングケアラー・8050問題など、福祉ニーズは年々拡大しており、社会福祉士の需要は中長期的に高まる見通しです。
▼いっしょに読みたい記事
「社会福祉士は本当に勝ち組なのか?」と気になる方も多いでしょう。
年収・キャリアの安定性・将来性を複数の観点からデータで検証した記事では、他職種との比較や社会福祉士ならではの強みを詳しく解説しています。
自分のキャリアを客観的に評価したい方にとって、役立つ視点が得られるはずです。
6.社会福祉士で年収600万円は戦略次第で現実になる
社会福祉士の平均年収は400万円台ですが、管理職への昇進・ダブルライセンス取得・保護観察所など高単価職場への転職・副業の組み合わせにより、年収600万円は十分に現実的な目標です。
「どのルートで目指すか」を早めに決め、キャリア戦略を意識して積み上げていくことが収入アップの最短経路です。








