「介護職の給料って実際どのくらい?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、平均月収・年収の実態から施設別・資格別の比較、給料が低いと言われる理由、処遇改善加算の仕組みまでデータをもとに解説します。
- 介護職の平均給与と手取りの目安
- 施設形態・取得資格によって給料がどう変わるか
- 給料が低いと言われる理由と処遇改善の現状
1.介護職の給料の実態は?

介護職の給料は職種や雇用形態によって大きく異なります。まずは平均月収・年収の実態と推移を確認し、額面と手取りの違いも含めて整理しましょう。
介護職の平均月収・年収と推移
介護職の平均月収・年収
介護業界における給与水準は、職種や雇用形態(常勤・非常勤)によって大きく異なるのが特徴です。全体を通して専門性の高さや勤務形態の安定性がダイレクトに反映される傾向にあります。
| 職種 | 雇用形態 | 平均月額給与 | 想定年収 |
| 介護支援専門員(ケアマネージャー) | 常勤 | 375,410円 | 約450万円 |
| 介護支援専門員(ケアマネージャー) | 非常勤 | 233,490円 | 約280万円 |
| 介護職員 | 常勤 | 338,200円 | 約405万円 |
| 介護職員 | 非常勤 | 196,060円 | 約235万円 |
| 訪問介護従事者 | 平均 | 285,800円 | 約343万円 |
■職種・雇用形態による格差と収入アップのポイント
データから明らかなように、最も給与水準が高いのは介護支援専門員(ケアマネージャー)の常勤で月額約37.5万円(年収約450万円)です。一方で、最も低いのは介護職員の非常勤で月額約19.6万円(年収約235万円)となり、同業界内であっても約2倍の収入格差が存在します。
また、同じ職種であっても常勤と非常勤の間には顕著な格差が見られます。このことから、介護業界で長期的に収入を引き上げていくためには、ケアマネジャーをはじめとする専門資格の取得や、常勤雇用を目指す働き方のシフトが非常に重要な鍵となります。
参考:厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果/令和6年賃金構造基本統計調査
給料の推移
介護業界における給料水準は、処遇改善施策などの影響もあり、月給・時給ともに継続的な上昇傾向が続いています。
| 年代(年度) | 平均月収(税込み・月給者) | 時間給 |
| 平成27年(H27) | – | 1,051円 |
| 平成28年(H28) | – | 1,067円 |
| 平成29年(H29) | – | 1,078円 |
| 平成30年(H30) | 22.1万円 | 1,109円 |
| 令和元年(R1) | 22.0万円 | 1,111円 |
| 令和2年(R2) | 22.7万円 | 1,142円 |
| 令和3年(R3) | 22.9万円 | 1,165円 |
| 令和4年(R4) | 23.8万円 | 1,187円 |
| 令和5年(R5) | 24.1万円 | 1,219円 |
| 令和6年(R6) | 24.9万円 | 1,262円 |
※月収データは5年連続で増加傾向となっています。
※時間給データは前年度に比べ3.5%の増加を記録しています。
処遇改善の動向と今後の課題
介護職の平均月収は平成30年の22.1万円から令和6年には24.9万円へ引き上がっており、時間給についても平成27年の1,051円から令和6年には1,262円へと伸長しています。
特に近年の給与の伸びは顕著であり、業界全体の処遇改善が着実に進んでいる実態が読み取れます。一方で、他産業との給与格差は依然として残されており、さらなる改善が期待される分野でもあります。
参考:公益財団法人介護労働安定センター|令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について
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介護職の給料は職種によって大きく異なりますが、そもそも「どんな職種があるのか」を把握することも収入アップの第一歩です。ケアマネジャー・介護福祉士・訪問介護員など各職種の仕事内容や資格要件、給与水準を一覧で比較すれば、自分が目指すべきキャリアの方向性が見えてきます。
「額面」と「手取り」の内訳
介護業界における給与から実際に手元に残る「手取り額」の目安は、額面金額の約75%〜85%程度とされています。
税金や社会保険料の控除額は個人の状況や住んでいる地域によって変動しますが、おおよその目安を把握しておくことがキャリア選択のうえで重要です。
| 職種 | 額面月収目安 | 額面年収目安 | 手取り月収の目安(75〜85%換算) |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 28万円〜32万円 | 338万円〜383万円 | 約21万円〜25万円 |
| 介護職員(常勤) | 25万円〜29万円 | 304万円〜344万円 | 約19万円〜23万円 |
| 訪問介護従事者 | 21万円〜24万円 | 257万円〜291万円 | 約16万円〜19万円 |
※金額はあくまで目安であり、地域や事業所の規模・施設形態によって異なります。
職種ごとの手取り傾向と働き方のポイント
職種別の傾向を見ると、ケアマネジャー(介護支援専門員)は手取り月収で約21万円〜25万円となり、介護職種の中でも高水準の待遇が期待できます。介護職員(常勤)も手取り月収約19万円〜23万円と安定した収入ベースを維持しやすい職種です。
一方で、訪問介護従事者は手取り月収約16万円〜19万円と比較的低めの数値となっていますが、単発の非常勤勤務と掛け持ちを行うことで総収入を補うケースが多く見られます。
実際の給料や手取り金額は勤務地や施設形態に大きく左右されるため、応募時や面接時には求人票や労働条件通知書で具体的な手取り額を必ず確認することが大切です。
2.【形態別】介護施設の月給を比較

介護職員の給与水準は、勤務する施設の種類(入所系・通所系・訪問系)や雇用形態(常勤・非常勤)によって大きく異なります。特に夜勤の有無や事業所のサービス形態が給与額に強く影響する構造となっています。
| 施設・サービス種別 | 常勤(月給) | 非常勤(月給) | 常勤・非常勤の格差(倍率) |
| 介護老人福祉施設(特養) | 361,860円 | 257,620円 | 約1.4倍 |
| 特定施設入居者生活介護事業所 | 361,000円 | 230,360円 | 約1.6倍 |
| 介護老人保健施設(老健) | 352,990円 | 252,390円 | 約1.4倍 |
| 訪問介護事業所 | 349,740円 | 177,090円 | 約2.0倍 |
| 介護医療院 | 330,030円 | – | – |
| 通所リハビリテーション事業所 | 318,310円 | 243,550円 | 約1.3倍 |
| 小規模多機能型居宅介護事業所 | 305,220円 | 236,060円 | 約1.3倍 |
| 認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 302,010円 | 201,810円 | 約1.5倍 |
| 通所介護事業所(デイサービス) | 294,440円 | 218,710円 | 約1.3倍 |
施設種別による給与格差と手当の影響
月給制・常勤のデータを見ると、介護老人福祉施設(約36.2万円)や特定施設入居者生活介護(約36.1万円)、介護老人保健施設(約35.3万円)といった入所型施設が最高水準の給与額となっています。これは24時間体制による夜勤手当の加算や重度化対応に対する各種手当が大きく影響しているためです。
一方で、日勤帯が中心となる通所介護事業所(約29.4万円)や認知症対応型共同生活介護(約30.2万円)は比較的低い水準に留まります。
介護老人福祉施設と通所介護事業所の常勤給与を比較すると約6.7万円もの開きが生じており、どの施設形態を選択するかが直接的に収入水準を左右します。
雇用形態による差異と働き方の選択
非常勤における最高額も常勤同様に介護老人福祉施設(約25.8万円)となっており、非常勤であっても施設選びの重要性は変わりません。しかし、全体として非常勤の給与額は常勤の6割から7割程度にとどまる傾向があります。
特に格差が顕著なのは訪問介護事業所であり、常勤の約35.0万円に対して非常勤は約17.7万円と約2.0倍の差が存在します。
介護業界全体の時給単価自体は上昇傾向にあるものの、長期的な収入の安定と高水準な給与を目指す場合には、施設形態の選定とともに常勤雇用での働き方を選択することが最優先のキャリア戦略となります。
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3.【取得資格別】介護職員の平均月給

介護業界における給与水準は、保有する資格の種類やレベルによって大きな差が生じる仕組みとなっています。資格の難易度や業務範囲が広がるにつれ、手当や基本給が引き上げられる傾向が明確に表れています。
保有資格別の平均給与額(常勤・月給制)ランキング
| 順位 | 保有資格 | 平均月給額 | 無資格との月給差額 |
| 1位 | 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 388,080円 | +97,460円 |
| 2位 | 介護福祉士 | 350,050円 | +59,430円 |
| 3位 | 実務者研修 | 327,260円 | +36,640円 |
| 4位 | 初任者研修 | 324,830円 | +34,210円 |
| 5位 | 保有資格なし | 290,620円 | 基準(0円) |
※常勤・月給制の者を対象とした参考値です。金額は地域や施設形態により異なります。
資格取得による収入アップ効果と格差の構造
最も給与水準が高いのは介護支援専門員(ケアマネジャー)の約38.8万円であり、国家資格である介護福祉士は約35.0万円が目安となります。
入門資格にあたる初任者研修や実務者研修の取得者でも月給約32万円〜33万円に達するため、資格なし(約29.1万円)と比較すると、初任者研修を保持するだけでも月額で3万円以上の差が生まれる計算です。
さらに、資格なしと国家資格の介護福祉士の差は約6万円、ケアマネジャーとの差は約8.5万円(令和6年度調査)にまで拡大します。
業界全体として処遇改善加算の拡充が進み給料の底上げが行われているものの、「保有資格やキャリアステップが収入格差に直結する構造」は継続しています。そのため、段階的に上位資格を取得していくプロセスこそが、最も確実で着実な収入増のルートとなります。
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4.「介護職の給料は低い」と言われるのはなぜ?

介護職の給料が低いと言われる背景には、構造的な要因があります。介護報酬による収入の上限、人手不足の問題、社会的なイメージという観点から解説します。
公定価格(介護報酬)による制約
介護施設などの主な財源は介護報酬と利用者からの利用料で、介護サービスの価格は国が定めており、事業所が自由に料金を上げることはできません。
そのため、どれだけ利用者が増えても収入の上限が決まっており、人件費に回せる原資も限られます。
一般企業のように業績連動で給与を大幅アップすることが構造的に難しく、これが介護職の賃金水準が低くなりやすい大きな要因のひとつです。
人手不足なのに「忙しいほど給料が上がらない」構造
介護業界は慢性的な人手不足で、1人あたりの業務負担は年々増しています。しかし利用者数が増えても介護報酬の単価は変わらず、忙しくなるほど収益が上がるわけではありません。
頑張りが給与に反映されにくい構造が、職員のモチベーション低下や離職につながり、さらなる人手不足を招く悪循環が続いています。
「誰でもできる仕事」というイメージ
介護の仕事は高齢者の身体介助から認知症ケア、医療的な知識まで幅広い専門性が求められます。
しかし長らく「誰でもできる単純な仕事」という社会的な意識が根強く、専門職としての評価が低い傾向がありました。
このイメージが賃金水準にも影響し、資格取得や経験を積んでも給与に反映されにくい状況が続いてきたのかもしれません。
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主に手当や一時金等の引上げを目的としており、人件費や環境改善の経費への充て方や割合は事業所によります。
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