介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修、どちらが正しい名称かご存知でしょうか?実はこの2つ、呼び方が違うだけで全く同じ研修を指します。
本記事では、両者の違いと使い分け方、履歴書への正しい記載方法、さらに研修修了後のキャリアパスや経済的支援制度まで詳しく解説します。
- 介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修が同じ資格である理由と使い分け方
- 履歴書への正しい記載方法と「取得」ではなく「修了」と書く理由
- 実務者研修修了後のキャリアパスと利用できる経済的支援制度
1.介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修は同じ資格

介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修は、内容や効力において違いはなく、同一の研修を指します。
なぜ2つの呼び方が存在するのか、公的な書類や履歴書ではどちらを使用するのが適切か、制度的な背景について解説します。
正式名称は介護福祉士実務者研修
公的書類での表記
介護福祉士実務者研修
法令や公的文書で多く使われる名称です。履歴書の資格欄には「介護福祉士実務者研修」と記載するのが無難です。
介護福祉士
介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられ、より専門的な知識と技術を学びます。国家資格「介護福祉士」の受験資格を得るための必要な研修であり、正式名称となっています。
履歴書や公的書類の資格欄に記載する際は、省略せずに「介護福祉士実務者研修」と正確に表記することが適切です。これにより制度上の位置づけが明確になります。
介護職員実務者研修と呼ばれる理由
求人・現場での表記
介護職員実務者研修
初任者研修との対比など、現場でのわかりやすさを優先した通称です。求人サイト等で一般的に使われています。
介護職員実務者研修という呼び方は、介護職員初任者研修との対比でわかりやすさを優先した通称です。現場や求人サイトなどで一般的に使われています。
一方、公的書類では介護福祉士実務者研修と表記されることが多く、履歴書にはこちらを記載するのが正式な方法です。
どちらも同じ研修を指し、内容や効力に違いはありません。表記が異なっても資格の価値は同じです。
2.履歴書への正しい記載方法

履歴書には正式名称「介護福祉士実務者研修」を使用し、「取得」ではなく「修了」と記載するのが正しい表現です。受講中の場合の書き方も確認しましょう。
取得ではなく修了と書く
介護福祉士実務者研修は「取得」ではなく「修了」と記載するのが正しい表現です。これは研修という学習プログラムを完了したことを示すためです。
資格試験に合格して得る免許や資格は「取得」ですが、研修は定められたカリキュラムを修めることで完了するため「修了」を用います。
履歴書の資格欄には「○年○月 介護福祉士実務者研修 修了」もしくは「令和○年○月 介護福祉士実務者研修 修了」と記載することで、正確かつ適切な表記となります。
受講中・修了後の記入例
履歴書の資格欄には、研修を修了もしくは受講修了予定の年月とともに正式名称を記載します。
受講中の場合、年月欄は空欄で、「介護福祉士実務者研修 修了見込み」や「介護福祉士実務者研修 受講中(〇年〇月終了予定)」と記載します。

年月は和暦か西暦かで書類全体を統一します。
3.実務者研修と初任者研修との違い

実務者研修は初任者研修の上位資格で、受講時間や学習内容が大きく異なります。サービス提供責任者になれるなど、キャリアアップに直結する違いを解説します。
サービス提供責任者として活躍できる
実務者研修を修了すると、訪問介護事業所においてサービス提供責任者(サ責)になることができます。
サービス提供責任者とは?
訪問介護事業所において利用者とヘルパーをつなぐ重要な役割
主な仕事内容
・訪問介護計画書の作成やサービス調整
・利用者や家族との面談
・ヘルパーへの支援・研修指導 など
キャリアアップと収入アップを目指す介護職にとって、実務者研修の修了は大きなステップとなります。
医療的ケアの基礎知識が身につく
実務者研修と初任者研修の主な違いは、学習内容の深さと範囲です。
初任者研修は介護の基礎知識と技術を学ぶ入門資格で、受講時間は130時間です。一方、実務者研修は450時間の学習が必要で、喀痰吸引といった医療的ケアも含まれます。
また、実務者研修修了者は介護福祉士国家試験の受験資格が得られ、サービス提供責任者としても活躍できるため、よりキャリアアップに直結します。
参考:厚生労働省|実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について
4.介護福祉士を目指す必須ルート

介護福祉士国家試験の受験には、実務経験3年以上と実務者研修の修了が必須です。受験資格の詳しい条件と、資格取得までのルートを確認しましょう。
実務経験と実務者研修の組み合わせ
介護福祉士国家試験を受験するための実務経験ルートでは、実務経験3年以上かつ従事日数540日以上に加え、実務者研修の修了が必須要件です。
または、介護職員基礎研修(現在は実務者研修に統合)+喀痰吸引等研修かつ従事日数540日以上の場合も介護福祉士の試験を受けることが可能になります。
参考:公益社団法人社会福祉振興・試験センター|[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験+実務者研修
5.実務者研修で利用できる助成金

実務者研修の受講には教育訓練給付制度や貸付制度が利用できます。給付や全額返済免除の条件など、経済的負担を軽減する方法を紹介します。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、雇用保険加入者など条件をクリアすると利用ができる、働く人の能力開発とキャリアアップを支援する給付金制度です。
介護福祉士は専門実践教育訓練に当てはまるため、下記の内容給付金などが支給されます。
専門実践教育訓練の内容
- 受講中は教育訓練経費の50%(年間上限40万円)が6か月ごとに支給
- 資格取得後1年以内に就職すれば70%(年間上限56万円)に増額
- 受講前より賃金が5%以上上昇した場合は80%(年間上限64万円)まで支給
※2024年9月までに受講開始した場合最大で受講費用の70%(年間上限56万円)を支給
失業中で45歳未満などの条件を満たせば、別途教育訓練支援給付金も受給可能です。

受給資格の有無や申請手続きについては、管轄のハローワークで確認しておきましょう。
介護福祉士修学資金等貸付制度
介護福祉士修学資金等貸付制度は、介護福祉士や社会福祉士を目指す方への支援制度です。
在学している方
2年間継続して勤務 返済が全額免除されます
その中の介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業は、実務者研修施設に在学中の方を対象とした支援制度です。
20万円以内が貸付され、受講にかかる経済的負担を軽減できます。最大の特徴は、卒業後に介護福祉士として介護の業務に2年間継続して勤務すれば、返済が全額免除される点です。
実務者研修の受講を経済面からサポートし、介護人材の育成を促進する重要な制度となっています。
参考:厚生労働省|介護福祉士・社会福祉士を目指す方々へ(修学資金貸付制度のご案内)
自治体による資格取得支援事業
自治体による資格取得支援事業は、各都道府県や市区町村が独自に実施する介護福祉士の資格取得を支援する制度です。
受講料の補助や、試験受験料の補助などが提供されます。自治体によって支援内容や金額、対象者の条件は異なりますが、地域の介護人材を確保・育成することを目的としています。
6.介護福祉士実務者研修によくある質問

受講資格や期間、費用、修了試験の難易度など、実務者研修に関してよくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
-
介護職員初任者研修を受けていなくても受講できますか?
-
はい、受講可能です。
実務者研修には受講要件がなく、介護の資格を持っていない方や実務経験がない方でも受講できます。
ただし、保有している研修によって受講すべきカリキュラムの時間数が異なり、無資格の場合は450時間の受講が必要です。

初任者研修修了者などは一部の科目が免除され、受講時間が130時間短縮される仕組みとなっています。
-
実務者研修の受講期間はどのくらいですか?
-
一般的に約6ヶ月が標準的な受講期間です。ただし、保有資格によって免除科目があります。
保有資格別:実務者研修の受講時間介護職員基礎研修 修了者50時間訪問介護員研修 1級95時間介護職員初任者研修 / 訪問2級320時間訪問介護員研修 3級420時間
-
実務者研修の費用はどのくらいかかりますか?
-
実務者研修の受講費用は、3~18万円以上と幅があります。
無資格の方は10万円〜18万円程度必要ですが、介護職員基礎研修を修了している方は3万円〜6万円程度で受講できます。
-
修了試験は難しいですか?
-
実務者研修には修了試験の義務がなく、カリキュラムをしっかり受講すれば修了できます。
ただし、科目ごとに課題やレポート提出が求められることがあります。
7.介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修の違いと活用法
介護職員実務者研修と介護福祉士実務者研修は、呼び方が異なるだけで同一の研修です。
公的書類では「介護福祉士実務者研修」、求人や現場では「介護職員実務者研修」と表記されることが多く、履歴書には正式名称である「介護福祉士実務者研修 修了」と記載しましょう。
この研修を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られ、サービス提供責任者としても活躍できます。教育訓練給付制度や貸付制度を活用すれば、経済的負担を軽減しながらキャリアアップを目指せます。






