「介護職はやめとけ」という言葉が気になって踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
確かに体力的・精神的な負担や低賃金など、厳しい現実があるのは事実です。
しかし、職場選びや資格取得の方法を知ることで、長く活躍できる環境は必ず見つかります。この記事では、介護職の課題と具体的な対策を徹底解説します。
- 「介護職はやめとけ」と言われる具体的な理由とその対策・改善策
- 施設形態別の特徴と自分に合った職場の選び方
- 転職・就職時の面接で必ず確認すべきチェックポイント
1.介護職はやめとけと言われる理由は?

介護職に対してネガティブなイメージが広がる背景には、現場特有の課題が存在します。
まずは「やめとけ」と言われる理由を正しく把握することが、自分に合った働き方を見つける第一歩です。
身体的な負担が大きい
利用者の移乗・入浴介助・体位変換など、腰や関節に大きな負荷がかかる作業が毎日続きます。腰痛を抱える介護職員の場合、慢性的な身体の痛みに悩まされるケースも珍しくありません。
体力的な消耗が激しいため、長く働き続けることが難しいと感じる人もいます。
給与水準が低い
介護職は他の職種と比較しても平均賃金は低い傾向があり、生活の安定が難しいケースもあります。
📊 職種別 平均給与 比較
介護職の平均年収は約406万円で、全産業の男女平均478万円を下回り、男性平均587万円と比べると180万円以上もの差があります。
身体的・精神的に過酷な仕事内容に対して、待遇が見合っていないと感じる人は多く、この賃金格差が離職率の高さや人手不足の深刻化にも直結しています。
参考:国税庁|令和6年分 民間給与実態統計調査/厚生労働省|令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果
精神的なストレスが多い
認知症の利用者への対応や看取りケア、家族からのクレームなど、精神的に消耗する場面が日常的に発生します。
感情を抑えながら働く「感情労働」の側面が強く、つらい気持ちを表に出せないまま限界を迎えるケースも少なくありません。
心のケアを後回しにしがちな職場環境も多く、メンタルヘルスの不調が慢性化しやすい点も大きな課題です。
人手不足による過重労働
介護業界では慢性的な人手不足が続いており、一人あたりの業務負担が年々増加しています。
少ないスタッフで多くの利用者を支えるため、残業や休日出勤が常態化している職場も珍しくありません。
介護労働者の悩み・不安・不満(複数回答)
全項目の回答割合
有給休暇が取りにくい環境も相まって、心身ともに疲弊した状態で働き続けることを強いられるケースもあります。
参考:公益社団法人介護労働安定センター|令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について
夜勤や不規則な勤務がある
介護施設によっては24時間365日のケアが必要なため、夜勤や早出・遅出などのシフト勤務が発生します。
生活リズムが乱れやすく、睡眠不足や体調不良につながるリスクがあります。
家族との時間や趣味の時間が取りにくくなり、プライベートが犠牲になると感じる人もいます。
キャリアアップの道が見えにくい
介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得によるキャリアパスは存在するものの、管理職のポストは限られており、長年働いても給与や待遇が大きく変わらないケースが多いです。
努力が評価に結びつきにくい環境が、将来への不安ややりがいの喪失につながり、離職を選ぶ一因となっています。
2.介護職の悩みを解決する対策・改善策

課題があるからこそ、対策を知っていれば状況は変えられます。
身体的負担の軽減から給与アップ・メンタルケアまで、現場で実践できる具体的な改善策をわかりやすく解説します。
身体的負担を減らす工夫をする
腰痛予防のためにボディメカニクス(身体の使い方)を意識した介助技術を習得することが重要です。
💡 ボディメカニクス 8つの原則
介護職の身体的負担を減らす正しい動作の基本
また、介護リフトやスライディングボードなどの福祉用具を積極的に活用することで、身体への負担を大きく軽減できます。
職場に導入を提案することも、自分の身体を守る第一歩になります。
給与アップにつながる資格を取得する
介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を取得することで、給与水準の引き上げが期待できます。
介護福祉士の月給平均は約35万円、介護支援専門員(ケアマネジャー)は約38.8万円と、資格の有無で給与に大きな差が生まれます。
無資格者の約29万円と比較すると、資格取得は収入アップへの最も現実的な近道です。キャリアアップを目指すなら、まず介護福祉士の取得を優先しましょう。
メンタルヘルスのケアを意識する
精神的なストレスを溜め込まないために、職場内での相談しやすい環境づくりが大切です。
同僚や上司に気持ちを打ち明けることが難しい場合は、外部の相談窓口やカウンセリングを活用する方法もあります。
意識的にオフの時間をつくり、趣味や休息で気持ちをリセットする習慣を持つことも有効です。

一人で抱え込むのが一番危険です。SOSを出せる関係性を日頃から築いておきましょう。
疲れを感じたら早めに相談し、オフの時間を意識的に確保することが長く働き続けるための土台になります。
人手不足の改善に取り組む職場を選ぶ
ICTや介護ロボットの導入など、業務効率化に積極的な職場は一人あたりの負担が軽減されています。求人情報や面接時に、職員数や離職率・有給取得率を確認することが重要です。
人材確保に力を入れている事業所を選ぶことが、過重労働を避けるための現実的な対策となります。

求人の良し悪しは表面だけでは見えません。
面接時に遠慮なく質問することが、入職後のギャップを防ぐ最も有効な手段です。
夜勤・シフトの負担を職場に相談する
夜勤回数や勤務シフトについて、希望を上司に相談することは権利として認められています。夜勤専従や日勤のみのポジションを設けている施設も増えており、働き方の見直しが可能な場合があります。
転職を検討する際は、シフトの柔軟性や夜勤手当の条件を事前に確認することが大切です。

無理なまま続けると心身ともに限界を迎えます。
働き方の見直しを上司へ相談する勇気が、持続可能なキャリアへの第一歩となります。
キャリアプランを明確に描く
資格取得やスキルアップの計画を自分で立て、キャリアの方向性を明確にすることが重要です。
介護福祉士からケアマネジャー、施設管理職へのステップアップのほか、福祉用具専門相談員や社会福祉士など、介護以外の関連職種への道も選択肢となります。
自分のキャリアを能動的に考えることが、将来への不安解消につながります。

漠然と働き続けると将来への不安は消えません。
資格取得やステップアップの目標を具体的に設定しましょう。
3.【施設形態別】自分に合う職場はどこ?

介護職といっても、施設の種類によって仕事内容や働き方は大きく異なります。
特養・デイサービス・訪問介護など、それぞれの特徴を把握することで、自分に最適な職場が見えてきます。
特別養護老人ホーム(特養)
要介護度の高い利用者が多く、身体介護のスキルをしっかり磨ける環境。チームで連携しながら働くことが好きな方に向いています。夜勤はありますが、その分手当も充実しています。
安定した雇用環境と充実した福利厚生を求める方に適しています。要介護度の高い利用者が多く、身体介護のスキルをしっかり磨けます。
チームで連携しながら働くことが好きで、腰を据えてキャリアを築きたい方におすすめです。夜勤はありますが、その分手当も充実しています。
有料老人ホーム
サービスの質やホスピタリティを大切にしたい方に向いています。利用者とじっくり関係を築ける環境で、比較的穏やかな介護が多い傾向があります。夜勤を避けたい方にも選ばれています。
サービスの質やホスピタリティを大切にしたい方に向いています。利用者との関係をじっくり築ける環境で、比較的穏やかな介護が多い傾向があります。
接客経験を活かしたい方や、清潔感のある環境で働きたい方、夜勤をなるべく避けたい方にも選ばれやすい施設形態です。
デイサービス(通所介護)
日勤のみで働きたい方や家庭との両立を重視する方に最適です。レクリエーションの企画など創意工夫を活かせる場面も多く、明るく活発な雰囲気の職場が多いのも特徴です。
日勤のみで働きたい方や、家庭との両立を重視する方に最適です。利用者が毎日通ってくるため、笑顔や会話を大切にしながら関係を育てられます。
レクリエーションの企画など、創意工夫を活かせる場面も多く、明るく活発な雰囲気の職場が多いのも特徴です。
訪問介護
利用者の自宅に伺う一対一のケア。自立した働き方ができ、直行直帰が可能な場合もあります。自分のペースで動きたい方や、人間関係のわずらわしさを減らしたい方に選ばれています。
一対一のケアにやりがいを感じる方に向いています。利用者の自宅に伺うため、自立した働き方ができ、直行直帰が可能な場合もあります。
経験やスキルを活かして自分のペースで動きたい方、人間関係のわずらわしさを減らしたい方に選ばれやすい職種です。
グループホーム
少人数のユニット制で、利用者一人ひとりとじっくり向き合えます。大規模施設のような慌ただしさが少なく、家庭的な雰囲気の中でケアの質を追求したい方におすすめです。
認知症ケアに関心がある方や、アットホームな環境で働きたい方に適しています。少人数のユニット制で、利用者一人ひとりとじっくり向き合えます。
大規模施設のような慌ただしさが少なく、家庭的な雰囲気の中でケアの質を追求したい方におすすめの職場です。
4.面接で必ず確認すべきポイント

求人票だけでは職場の実態は見えません。入職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、面接時に必ず確認しておくべき項目を具体的にまとめました。
離職率・平均勤続年数を聞く
「スタッフの定着率はどのくらいですか?」と率直に聞くことが大切です。離職率が高い職場は、労働環境に問題を抱えているケースが多くあります。
平均勤続年数が長ければ、働きやすい環境である証明になります。数字を濁す場合は要注意のサインと受け取りましょう。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムにて、事業所検索から検索し、該当施設の従業員情報で前年度の離職率を調べることもできます。
夜勤回数とシフトの実態を確認する
求人票の「月平均○回」という数字だけでなく、実際の現場でのシフトの組まれ方を具体的に確認しましょう。
急な夜勤の呼び出しが多いか、希望休が取りやすいかも重要なポイントです。現場スタッフの声を聞ける機会があれば、積極的に活用してください。
有給取得率・残業の実態を把握する
「有給はどのくらい取得できていますか?」と直接確認することをおすすめします。取得率が低い職場は慢性的な人手不足の可能性があります。
残業が常態化していないか、サービス残業が黙認されていないかも、働き続けられる職場かどうかを見極める重要な判断基準です。
教育・研修制度の充実度を確認する
入職後のフォロー体制が整っているかは、長期的なキャリア形成に直結します。新人研修の内容や期間、資格取得支援の有無、OJTの仕組みなどを具体的に聞きましょう。
「現場に入ってから覚えてください」だけの職場は、早期離職につながるリスクがあります。

厚生労働省の介護サービス情報公表システムにて、事業所検索から検索し、該当施設の運営状況の従業員の研修等で実施状況を調べることもできます。
職員間のコミュニケーションの雰囲気を見る
面接時に施設見学をお願いし、スタッフ同士の会話や表情を観察することが大切です。挨拶が飛び交い、笑顔が見られる職場は人間関係が良好なサインです。
反対にピリピリした空気や、スタッフ同士の会話が少ない現場は、離職リスクが高い可能性があります。
ICT・介護ロボット導入状況を聞く
業務効率化への取り組みは、現場スタッフの負担軽減に直接影響します。記録業務のデジタル化や見守りセンサーの導入状況を確認しましょう。
テクノロジーの活用に積極的な職場は、経営陣が現場環境の改善に意識を向けている証拠ともいえます。
5.「介護職はやめとけ」は本当?自分に合った働き方を見つけることが答え
「介護職はやめとけ」と言われる背景には、身体的負担・低賃金・人手不足など、無視できない課題があるのは事実です。
しかし、職場選びや資格取得、働き方の工夫次第で長く活躍できる仕事でもあります。
自分に合った施設形態を選び、面接時にしっかり確認することが、充実した介護キャリアへの第一歩となります。






